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「見てみてー!今日のラッキーアイテムなのだよ!」

「俺もー!今日のラッキーアイテムなのだよ!」


「お前ら・・・いい加減にするのだよ!!」


緑間の机の前に集まり、名前はカエルのシャーペンを、高尾はたぬきの人形を、緑間に見せつける。


「高尾くん、私たち今日は人事を尽くしているから運命に選ばれるのだよ!!」

「だな!人事を尽くして天命を待つのだよ!!」


怒りにプルプル震える緑間の前で二人はキャッキャと緑間の真似をしながら楽しんでいた。


「余程俺を怒らせたいようだな・・・!!」

「やばっ!高尾くん退散ー!!」

「まぁまぁ真ちゃん、落ち着いて〜!」

「いいから、退散だってばー!!」


椅子から立ち上がって二人を睨む緑間に、ヤバいと感じたのか高尾の腕を掴んで逃げようとするも、高尾は意外にも落ち着きニコニコとしている。

その後、高尾がのんびりしていたせいで二人とも緑間につかまり、授業が始まるまで説教された。



放課後


「あれ?今日は部活見てかないの?」

「うん!今日はちょっと用事があるからね〜。直帰します!ってことで、じゃーねー!」

「あ、おう!またなー。」


名前が珍しくそそくさと帰りの支度をしているかと思えば、何か用事があるらしい。

今日名前見に来ないのかー。名前に見ててもらった方がやる気でるんだけどな〜。


いつもいる名前がいない中、部活が始まり少しの違和感があった。

シュートが入った時の喜ぶ顔とか、嬉しそうな声とか、そういうのが何もない体育館は味気なかった。
チラッと横目で見た真ちゃんの顔もいつもより味気ないつーか、寂しそうな感じだった。

きっと俺もそんな顔してんだろーな・・・。



「やーっと部活終わったー!!よし真ちゃん、帰ろーぜ!」

「早過ぎなのだよ!!」

部活が終わって直ぐに体育館を出る。

そーいや、真ちゃんと二人で帰んのは久しぶりだな〜。

日が沈み暗い道を歩く二人。

名前がいないとこんなに話さないもんなんだな。
よし、んじゃ真ちゃんに聞きたかったこと、聞き尽くすか!!

「なぁ、真ちゃんってさ、名前のこと好きっしょ?」

「ッブ!!」


沈黙が続く中、急に高尾が口を開いたかと思えば予想外なことを口にした。
緑間にとって予想しなかった言葉だった為吹き出してしまった。

「す、好きではないのだよ・・・!!」

「嘘だ。だって俺名前のこと好きだし。真ちゃんも俺と同じ目して名前見てんもん。・・・真ちゃんとはさ、やっぱ正々堂々って言うの?まぁ、そんな感じで遠慮なしにしたいし、俺、結構本気で名前のこと好きみたいだからさ。一応、報告!!」

「・・・だから、俺は好きではないと言っているだろう!」

「真ちゃんがそう言うならいいけどさ〜。・・・ま、家帰ってちゃんと考えてみろって!じゃな〜」

「・・・。」

いつの間にか分かれ道まで来ていたらしい。
緑間の帰り道とは反対の方に、手を振りながら走っていった。



・・・好き、か・・・。
俺にはその感情がどんなものなのか分からないのだよ、高尾。
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