「敦、これから部活中お菓子禁止。」
「えっ!赤ちんなんでー!?」
「なんでもだ。」
◇
数時間前
赤司は一人早めに部室に入り今日のメニューについて考えていた。
桃井のデータを元にどういったメニューがいいのかを組んでいく。そしてふと紫原のデータに目を通す。
身長208cm。お菓子しかたべてないのに。身長208cm・・・。
「・・・猫背に免じて許すというレベルじゃないな。」
敦は俺の命令を絶対に聞く。だから敦のことは嫌いではない。
だが俺よりも身長が高いという点が些か気になる。
最近はあまり気にしていなかったがこうもデータで見せられるとやはりムカつく。
◇
「赤ちーん、俺、お菓子ないと死んじゃうよー!」
「なら、名前を没収されたいか?」
「え!?紫原からの呼ばれ方(ちんを抜かして)ちんはもっとだめ!!」
「ならお菓子を我慢しろ。命令だ。」
「・・・はーい。」
しょんぼりとして、いつも以上に猫背になって去っていく紫原を見て、赤司は優越感を感じた。
◇
「紫原からの呼ばれ方(ちんを抜かして)ちん、俺、今日死ぬかもしんない・・・。」
「え!?なんで!?」
「これから部活中お菓子禁止だって・・。」
「・・・あっくん、赤司くんになんかしたの?」
「ううん。何もしてない・・。」
見るからに元気のない紫原に名前はどうすればいいのか悩んでいた。
自分が見ている範囲でも紫原が赤司に何かをしたということはなかったし、紫原に限ってそんなことはないだろう。
・・・それじゃ、なんで・・・?
「ううう・・・。まいう棒ー、食べたい・・・。」
・・・どうしよう!?こんなあっくん見るの初めてだよ!?
ついにしゃがみ込んでしまた紫原を見て、名前は赤司の元に向かった。
「あ、赤司くん!!あっくんにお菓子あげてもいい?」
「だめだ。」
「でも、あっくん死にそう!!」
名前にそう言われ紫原を見れば、大きな体を小さく丸めてしゃがみ込んでいた。
それは自分よりも遥かに小さく赤司の優越感を更にくすぐるものだった。
「なかなかいい眺めだな。」
「えぇ!?」
どんどん小さくなっていく紫原に気をよくした赤司は、名前を紫原の方に向かわせながら名前の耳元で小さな声で呟いた。
「名前が、お菓子になればいいだろう?」
「へ!?」
「それなら許可しよう。」