「紫っちって、いつも名前っちとお菓子は必ず持ってるっスよね!」
「んー。」
「じゃあ、名前っちかお菓子どっちかしか選べなかったらどうすんスか!?」
「んー。お菓子を持った紫原からの呼ばれ方(ちんを抜かして)ちーん。」
「・・・。」
部室で名前を抱きしめながらお菓子を食べる紫原を見て、今までずっと気になっていたことを聞いてみた。
しかし、結局どっちなのかわからないような答えに項垂れる黄瀬。
「えー。じゃあ私がお菓子持ってなかったらどうするのー?」
「そうっスよ!!名前っちが久しぶりにまともなこと言った!!」
「え。」
「黄瀬ちん、紫原からの呼ばれ方(ちんを抜かして)ちんの悪口言うならヒネリつぶすよ。」
「わ、悪口じゃないっスよ!!」
ムッとした顔で睨まれ慌てて謝る黄瀬。
それに気分を良くした紫原は質問の答えを考え出した。
「んー。紫原からの呼ばれ方(ちんを抜かして)ちんは一緒じゃなきゃ嫌だしー、お菓子もないと嫌だしー。やっぱり俺、お菓子持ってる紫原からの呼ばれ方(ちんを抜かして)ちんがいーなー。」
「えー。じゃあ、私が涼ちゃん持ったあっくんがいいなって言ってもそうしてくれるの?」
「え。」
「黄瀬ちんヒネリつぶす。」
「え!?」
「ほらー!あっくんだけズルいじゃーん!」
「ちょ、いた、いたたた!!名前っち助け・・・!」
黄瀬の頭を掴み潰す勢いでグリグリと地面に押し付ける。
紫原に片腕で抱きしめられながら暢気に話す名前に助けを求めるが、名前はまったくにした様子はなくまいう棒を食べている。
「あのカップルに自分から突っ込むとか、やっぱアイツ馬鹿だな。」
「関わらないのが一番なのだよ。」
紫原にひねりつぶされている黄瀬を遠目に見ながら、呆れ顔で話す二人。
「でも、気になりますよね。名前さんを選ぶのか、お菓子を選ぶのか。」
「そうかー?」
「いいね。面白そうだ。一度敦から名前を取り上げてみるか。」
「「え。」」
黒子の後ろから現れた赤司は、楽しそうな顔をしながら恐ろしいことを言った。
だが、赤司の命令は絶対。
いまだに名前を抱きしめながら黄瀬をひねりつぶす紫原を見て、心の中で合掌した。