「ミードーリーンー!!」
「ミドチーン!」
「な、なんなのだよ!!」
紫原と名前は一足先に部室に行き、皆が来るのを待っていた。
そして、最初に現れたのが緑間だった。
緑間が部室のドアを開けると、二人は待ってましたと言わんばかりの満天の微笑みで、緑間を囲むようにして近づいた。
「あー!今日のラッキーアイテムはカエルなんだー!!私、カエル好きー!貸してー!!」
「なっ!!」
緑間が大切そうに持っていたカエルを取って抱きしめる。
だが一瞬顔をしかめると紫原が名前からカエルを奪い、腕を上げて名前に取られないようにする。
「あっくん、返してよ!」
「だめー。紫原からの呼ばれ方(ちんを抜かして)ちんは俺のだしー。」
「意味わかんないよー!!」
名前は紫原につかまり一生懸命手を伸ばすが、カエルは紫原の頭より更に上にあり、到底届くことはできない。
「返すのだよ!!」
名前と同じように緑間もカエルに手を伸ばす。だが紫原の身長の更に上にあるカエルにはまったく届く気配がなかった。
「ちーっす。・・・ってお前ら、何やってんだ?」
名前は紫原によじ登りだし、緑間は必至の形相でカエルに手を伸ばしている。
当の紫原は名前に抱き着かれているのが嬉しいのかニコニコしながらちょいちょいカエルを揺らしていた。
そこに、青峰が入ってきたのだ。
変なものを見ているかのような目で三人を見る。
「あ、まっくろくろすけ!!」
「あ゛ぁ?」
「っあっくん!!」
青峰が入ってきたことに気づいた名前は、紫原からカエルを取るのを諦め抱き着いたまま青峰に話しかけた。
だが、ドスの効いた声を聞き、紫原のお腹に顔を埋め抱き着いた。
「峰ちーん。紫原からの呼ばれ方(ちんを抜かして)ちん苛めないでよー。紫原からの呼ばれ方(ちんを抜かして)ちん苛めていいのは俺だけなんだからねー。」
「ならちゃんと躾とけよ。」
「紫原からの呼ばれ方(ちんを抜かして)ちん、まっくろくろすけとは遊んじゃだめー!」
「おい。」
青峰は二人を睨むが、当の本人はまったく気にしている様子はなく名前を慰めている。
「あれ、みんな早いっスねー!!」
「あ、涼ちゃん!」
「って何やってるんスか!?なんか楽しそうっスね!!」
「みどりんとまっくろくろすけ弄りー!!」
「おい、殴られたいか?」
「紫原からの呼ばれ方(ちんを抜かして)ちん殴ったら、ヒネリつぶすよ。」
「・・・なんか二人とも怖いんスけど・・・大丈夫っスか・・・?」
いまだにカエルを取り返そうと、紫原が油断するのをまつ緑間。
その紫原は名前に抱き着かれニコニコしなが上機嫌でまいう棒を食べていたが、青峰の殴るという発言にムッとした顔になる。
青峰は口では殴ると言っても実際に行動に移そうとは思ってないのか溜息をついて自分のロッカーに向かう。
「なんだか楽しそうなことをしているね。俺も入れてよ。」
「あ!赤司くん!!」
「赤司っち、いつの間に!?」
赤司に気づいた名前は紫原から離れ、ニコニコしなが赤司の元に行く。
自分の元から離れ少し寂しそうな顔をする。
他の人に取られたとなればひねりつぶそうとするが、赤司の場合は何も言わず、名前の後ろから着いていく。
「赤司くんもミドリン弄りする?」
「面白そうだね。・・・ラッキーアイテムがはさみなら良かったのに今日は違うのか。・・・じゃあ黄瀬にしようかな。」
「え。」
「赤司くんがそう言うなら、・・・涼ちゃん覚悟ー!!」
「黄瀬ちーん!!」
「え、ちょ、えー!!」
二人によって潰される黄瀬を見て上機嫌な赤司。
大体いつも最終的な犠牲者は黄瀬なのだ。
そして、最初からいた黒子は誰にも気づかれることなく着替えを済ませた。