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「名前っち!今日は部活午前中だけだし、部活終わったら制服デートしないっスか!?」

「いいよ。」

「ひどっ!!・・・て、え?・・・いいん、スか!?」

「うん。」


あ、あれ。絶対断られると思ってたのに、まさか一発でOKもらえるなんて、う、嬉しすぎるー!!!


「制服デートっスよ!二人だけっスよ!?」

「うん。たまには散歩もしないと。」

「ん?・・・とにかく、約束っスよ!!・・・よーしっ!部活やる気でたー!!」



放課後


「名前っち!こんなに明るい時間に部活が終わるなんて、なんか新鮮っスね!・・・しかも今日は名前っちと制服デート・・・!わー!!俺幸せすぎて、もうどうすればいいっスか!?」

「Be quiet」

「えぇ!?なんで急に英語!?ってか発音うまっ!!」


うーん。さっきからキャンキャンうるさいなぁ。
しかも動作が激しすぎてそのままどっかに行っちゃいそう。


名前とデートできることへの嬉しさを隠すことなく言葉や体で表現する黄瀬。はしゃぎ過ぎている為になかなか前に進むことができない。


あ、そうだ。


「黄瀬。手出して。」

「え?・・はいっス!」

一度はしゃぐのを辞めて手を出せば、名前はその手を握って立ち止まっている黄瀬を引っ張り、歩き出した。

「え?え?・・・え!?」

「で、どこに行きたいの?」


名前っちと手を繋いでる・・・!?
制服デートっていうだけでも死ぬほど嬉しかったのに、名前っちは俺を殺す気っスか!?
し、しかも名前っちから繋いでくれるとか・・・!


「え、えっと、その・・!」

「ん?」

「名前っちと、プリクラ撮りたいっス!!」

「じゃあ、ゲーセンね。」

「!・・・いいんスか!?」

「いいよ。」


ポカーンと名前を見つめやっとおとなしくなった黄瀬。
そんな黄瀬を引っ張りながらゲームセンターに向かった。



「・・・な、名前!?」

「うわ。ラッキーアイテム男。」

「え?何、真ちゃん知り合い?」

「緑間っち・・・!?」


ゲームセンターに着き、プリクラの方に向かう途中、見覚えのある緑髪の男、緑間に会ってしまった。

「かわいい!名前ちゃんって言うんだ!俺は高尾和成。・・・って、お前ら付き合ってんの!?」

「・・・何!?」

高尾が名前に近づくと二人が手を繋いでいることに気づいた。
あからさまにガッカリした顔で落ち込む高尾と、目を見開いて驚いている緑間を見て、黄瀬は優越感を感じた。

「そうっ「いや、これは迷子防止。付き合ってない。」・・・名前っち・・・。」

「なんだー!!なら良かった良かった!」

「そ、そうか。ならいいのだよ。」


名前に言葉を遮られ最後まで言えず落ち込む。

・・・そもそも緑間っちと名前っちが知り合いって言うのも驚きっスけど、緑間っちこれ、確実に名前っち狙ってるじゃないっスか・・・!
折角の二人っきりの制服デートだったのに・・・。


「じゃ、私たちもう行くから。」

「待て。黄瀬と付き合ってないならなぜ二人でこんな場所にいるのだ?しかも、て、手も繋いで・・・。」

「黄瀬の散歩。」

「ん?」

「とにかく、これからプリクラ撮りに行くから離して。」

「えー!じゃあ4人で撮ろうよ!!ほら、こんな偶然あんまないわけだし?記念、記念!」

名前が黄瀬を連れてプリクラの方に行こうとするも、名前の手を掴んで引き留める緑間。

ここで巻くのも無理だろうと思った名前はため息をつき、二人に向き直った。

「一回だけだからね。」

「やっりー!!良かったね、真ちゃん!!」

「・・・名前っちとのプリクラ・・・。」



「まだ落ち込んでるの?」

「だって、だって名前っちと二人で撮りたかったんスよ!?なのに、なのに・・!」

緑間と高尾は帰り、二人はゲームセンター近くのコンビニに来ていた。

プルプルと涙目になりながらプリクラを見つめる黄瀬。
そこには名前、黄瀬、緑間、高尾という奇妙なメンバーで映ったプリクラが何枚か並んでいた。

「はぁ。黄瀬、手出して。」

「・・・?」

「もう1回撮りに行こっか。」

「・・・!名前っち!!」
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