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「思い出しました!名前は今知りましたけど。・・・あの時は途中でいなくなっちゃってごめんなさい」

「それはもう別にいいけどよ・・・」


あの時とはまた違った感じだけど、泣きそうな顔してることは変わらないんだな。
無理に笑おうとしてるとことか、時々下向いて何かを隠そうとしているとことか。
なにがお前をそんなにさせてんだ・・・?
ってかなんで俺はコイツが悲しそうな顔してると気になっちまうんだ?

あーーー!もうめんどくせぇ!!


「あんときも言ったけどよ、お前笑った方がいいぞ。ってか笑え!!」

「うわっ!!急に何すんですか!?」

青峰は名前の頭に乱暴に手を置き髪の毛をぐちゃぐちゃにした。
青峰は撫でたつもりかもしれないが名前にとってはただ髪をぐちゃぐちゃにされたとしか思えないだろう。

「あと、敬語遣わなくていい。同い年だし」

「え、あ、うん。わかった!・・ってそうじゃなくて、ああ!もう、髪ぐちゃぐちゃになっちゃったじゃん!!」

「そうですよ。青峰くん名前さんに触らないでください」

「うおぉ!?おま、テツ!急に現れるなよ!ってかさつきはどうしたんだよ!」

「巻いてきました」

「はぁ!?」


名前が髪を整えていると、いつの間にか名前と青峰の間に黒子が現れ青峰から名前を遠ざけた。
名前は黒子の姿を見てキュッと口を結び下を向いた。


「・・・(コイツまた・・)あの時は聞きそびれたけどよ、お前の名前教えてくれねぇか?・・・っていねぇし!?(またかよ!!)」

「残念でしたね。名前さんなら監督に呼ばれてあっち行きましたよ」

「・・・(ちょっと目を離しただけなんだけど)名前、ね」


あん時も思ったけど、今日ではっきり分かった。やっぱ俺名前のことほっとけねぇ。
俺の力で絶対笑わしてやる。名前にあんな顔は似合わねぇよ!!



「ねぇ!名前なんて言うの?私、桃井さつき!さつきって呼んで!!」

「私は苗字名前。私も名前って呼んで」

精一杯笑ったつもりだけど、ちゃんと笑えてるかな?

「名前、ね!今日はマネージャー同士よろしくね!!・・・名前ホントかっわいいーなぁー!!」

「わぁっ!!」

名前は桃井に抱き着かれ倒れそうになるが、なんとか持ちこたえた。


桐皇高校の人たちはスキンシップが多いんだなぁ・・・。さっきは髪ぐちゃぐちゃにされたし、今は抱き着かれてるし。でも、私なんかよりさつきの方が可愛いと思うけどな・・・。

良い人そうだし、可愛いし、テツくんが好きになるのも分かるよ・・・。ってだからなんで落ち込むんだ、私は!!



練習試合が終わり、バスケットボールを拭いていた名前の元に青峰が歩いてきた。

「名前」

「ん?」

「ちょっと、いいか?・・・話したいことあんだけど」
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