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「ここが海常高校かぁ」

広いなぁ!!


「火神くん、いつにも増して悪いです、目つき」

「うるせぇ。・・・ちょっとテンション上がりすぎてな」

「遠足前の小学生ですか」

「なにお!?」


今日は海常高校との練習試合。名前は黒子と火神の後ろにくっつき、二人の会話をこっそり聞いていた。


眠れなかったとか・・・!火神くんにも可愛いところがあったんだね!まぁ、しょうがないか。今日は黒子くんをかけた大事な試合だもんね!!(名前の頭の中では)


「どうもっスー!!」

名前が二人の会話を聞き、妄想をしていると、遠くの方から黄瀬が走ってきた。
しかも目が合った名前に手を振りながら。

「名前っちー!!」

「(黒子くんじゃなくて私!?)」

手を振りかえすと、黒子がサッと名前の前に立ち、黄瀬を視界に入らないようにした。

「(黒子くんが嫉妬!?火神くんピンチじゃん!黒子くんの気持ちが黄瀬くんに傾きつつある!?)」

「・・・黄瀬くん。名前さんを変な呼び方しないでください。不愉快です」

「黒子っち、はっきり言いすぎっスよ!!」

俺泣くっスよー!!と言いながら既に泣いている黄瀬。

・・・なんか黄瀬くんが可愛そうになってきたよ。


「それに、うちにおいでってって言ったのにあんなにあっさり振るから、毎晩枕を濡らしてるんっスよ〜」

「(こいつはデレ専門か!!っく、敵は手ごわいぞ!)」

「だから、黒子っちにあそこまで言わせる君にはちょっと興味あるんっス。キセキの世代なんていう呼び名に別にこだわりとかはないんスけど。あんだけはっきり喧嘩売られちゃあね。俺もそこまで人間できてないんで。悪いけど、本気でツブすっスよ」

「っふ。おもしれぇ」


・・・お?おお??
こんなに堂々と宣戦布告ー!?ヤバいヤバい顔がニヤけるー!!やっぱり黄黒ありかも!!黒子くんのツンツン具合と黄瀬くんのデレデレ具合が丁度いい感じに合ってるよ!!あー!!どうしよう!!

「ってわけで、名前っち!行くっスよ!」

「えぇ!?」

グイッと宙に浮いたかと思えば、黄瀬の横に降ろされた。
いつの間にか手を繋ぎブンブン振り回しながら体育館へと案内する。

「(く、黒子くんの前でいいのか!?)・・・ち、違うよ!黒子くん誤解しないでね!?」

後ろの方で私(黄瀬)を睨みつける黒子に弁解をし、必死に腕を解こうとするが、やはり、男の力に勝つことはできず、手を繋いだ状態のままで連れて行かれることに。





試合が始まり、激しい攻防戦が繰り広げられる。
そんな中名前は・・・


もし、この試合で黄瀬くんが勝っちゃったら、黒子くんは黄瀬くんのもの・・・か。
遠距離、しかもライバルである火神くんはいつも黒子くんといるわけだし、黄瀬くんからしたら毎日気が気じゃないよね。

でも、それもそれでちょっと切ない感じがまたいいかも・・・!!


名前の頭の中では妄想が拡がっていた。




「100-98で誠凛の勝利!!」

「え・・・勝った・・?」
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