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次に目を開けたときは目の前が真っ赤だった。
自分の血なのか、それとも名前っちの血なのか分からない。

名前っち・・・?名前っちは・・?


「・・・涼ちゃん!!」


上から名前っちの声が聞こえて、見上げれば名前っちが泣いていた。
俺に近づいて、何度も何度も俺の名前を呼ぶ。

そんなにたくさん呼んでもらったことなかったから、なんだか嬉しい。


「今、救急車呼ぶから・・!お願い、頑張って!!」

救急車に電話をし躊躇なく自分の服を破ると必死になって止血をする。

早く、早く止血しないと・・!この血の量じゃ、涼ちゃんが・・!


名前っちが、泣いてる・・。
泣き止んで欲しいな。名前っちが泣いてると俺まで悲しくなる。


名前っちに大丈夫だって、安心させないと。

そう思って名前に手を伸ばそうとした。
だがその手が名前に届くことはなく、地面に着いたまま動かなかった。

ああ、なんだ。もう手は動かないのか。
じゃあもう、バスケもできないんスかね・・?
いや、でもそれよりもっと・・。

名前っちを抱きしめられないのが、凄く辛い。

一瞬そんな嫌なことが頭をよぎる。だがすぐに泣いている名前が視界に入り、そんな考えはすぐに吹っ飛んだ。

早く、名前っちを泣き止ませて、安心させたい。


名前っち、泣かないで。俺は大丈夫だから。

そう言葉に出して伝えようとした。

でも、その言葉すらも発せられることはなかった。

はは。なんだ。言葉すら出せなかったんスね。

心の中で自傷気味に笑う。

これじゃあ、名前っちを安心させてあげられない。


「涼ちゃん、涼ちゃん!あともう少しだからね・・!」


名前っちにギュっと手を握られる。

名前っちの顔は涙や血で汚れていた。
服はボロボロで俺の為に破いたせいか肌がちょっと見えている。


名前っちに握られた手を握り返すこともできなくて、安心させることもできない。

それに、もしかしたらもう一生名前っちに会えないかもしれない。
そんなこと凄く嫌なのに。凄く悲しいことで、一番俺が恐れていた事なのに。


俺の顔からは微笑みが溢れた。


だって、これは―・・・

これは、俺が臨んだ結末だったんだ。


未来が、変わった―・・・
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