「黒子っちください」
「・・・ワッツ!?」
・・・なんだ、なんなんだこの状況は!?
あれからボトルと救急箱をセットして、部活の準備をして、やっと終わった―!とか思って体育館に入ってみれば・・・さっきの美少年が・・・黒子っちください!?黒子ってえ!?黒子くんですよね!?しかもその後ろでは火神くんが尻餅ついてるし・・・。
この短時間に一体何が!?
・・・でも、分かったことが1つある。
既に三角関係だったのですねー!!!
「・・・あ!名前ちゃんじゃないっスか!!名前ちゃんもどうっスか?うちに来て一緒にバスケやろう」
なん・・・だ・・と。まずは協力者から仲間にしてやろうという作戦か!?
「何言ってるんですか。名前さんは渡しませんよ。というか名前さんに触らないでください。」
いつの間にか金髪美少年は名前の腕を掴み、自分の方へと引き寄せていた。
だが、黒子によって叩き落され名前を自分の後ろへと移動させる。
「(・・・ん!?)」
「あと、僕は火神くんと約束しました。あなたたち、キセキの世代を倒すと。だから、そっちにはいけません。それに名前さんも、いつも応援してくれます。僕はここでバスケがしたいんです」
いきなりデレた!?く、黒子くん!!よく言ったよ!良かったね火神くん!あとは君が素直になればこれからもっと濃厚なラバーが見られるのね!!
でもでも、二人が今よりもっとラバーな感じになっても私は大丈夫かな・・・?
絶対萌え死ぬよ!!!
「・・・名前ちゃん。見送りお願いしまっス」
「・・・ん!?」
頭の中で色々と妄想していた名前は、金髪美少年に腕を引かれ連れて行かれた。
「・・・(なんで名前さん連れて行くんですか!!)」
◇
「・・・え、あのなんで私と、金髪美少年が一緒に帰ってるんでしょうか?」
「ぷっ。金髪美少年ってなんスか!・・・俺は黄瀬涼太っス」
黄瀬涼太・・・?やっぱりどこかで聞いたことあるような・・・。
ってそんなことよりも!まじでなんで一緒に帰ってんの!?私まだ片付けとかあるんですけど!?
ま、まさか、私を仲間にして黒子くんとくっつくように協力しろとか!?
そ、そんなこと・・・!!黄黒・・・。ヤバい。萌える!!
いやいやダメだって!!黒子くんには火神くんがいるんだし!
「名前ちゃん?おーい」
なんか深く考え込んでるみたいっスけど・・・。どうしたんスかね?
「あ!こんなところにバスケコート!知らなかったっスよ!」
名前の手を引きベンチに座らせると、鞄の中からバスケットボールを取りだしドリブルをしはじめた。
「・・・よっと!」
軽やかにシュートを決め、名前にブイサインを出した。
「どうっスか!俺のシュート!」
「・・・!」
やべ、見てなかった!!妄想してたよ!黄黒を!!それでもいいかもとか思った私を許して!火神くん!!
とりあえず黄瀬にブイサインを返し、足元に転がってきたボールを手に取りゴールに投げてみた。
パスッ
「・・・え。(入った?)」
「名前ちゃん凄いっスね!!なんスか、今の綺麗なフォーム!もしかしてバスケ経験者っスか?」
「ううん。初めてだよ!ボール投げたの・・・」
いつも黒子くんとか火神くんの見てるからかな・・・?
「・・・え?初めてっスか?」
さっきの綺麗なフォームが初めてできるとは思えないんスけど・・・。嘘を付いてるようにも見えないし。
「やっぱおもしろい」
「・・・ん?なんか言った?」
「いや、これからよろしくっス!名前っち!」
「ええ!?(っち!?)」