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※かなりくだらないです














夢の国に行きたい。行きたい。行きたい行きたい行きたい行きたい行き「うっさいアホ」

「むかつくアホ謙也」
「行きたい何回言えば気ぃ済むん自分」
「行けるまで」
「大人しくユニバーサルスタジオジャパン行け」
「あそこはちゃうもん!なんかちょっと現実混ざってるやん!」
「それはわからなくもないけども」

あの、なんかめっちゃ楽しそうなCMとか反則やと思う。私も会いたい。あのネズミに会いたい。お宅訪問したい。あとあそこのポップコーンやらクッキーがやたらうまいし。めっちゃ買い込みたい。クッキー買い占めたいわ
なんで夢の国は東京なんやろ、なんで大阪には存在せえへんのやろ。あー行きたい行きたい行きたい行きたい行き

「つっこめよ!」
「なんやねん!あーもうほんまめんどくさいめんどくさすぎるめっちゃ絡みづらい」
「謙也東京にイトコおるてゆーてたよね?」
「おるけど」
「謙也イトコに連れてってって頼んで」
「イトコ何の関係もないやろ」
「東京の人間はみんな金持ちなんやろ」
「自分どんだけ偏った思考の持ち主なん?てかいつの時代の人間」
「ほら連絡連絡」
「無視か」
「けーんーやー」
「ちゅーかネズミんとこは千葉やん」
「えっそーなん?」
「めっちゃ有名な話やろ」
「そうやって自分のものさしで物事はかるのよくないんちゃう?!」
「なんでここでムキになる必要があんねん」

いつまでも謙也なんかと言い合ってても夢の国には行かれへん。こうなったら実力行使やと考えた私は謙也の制服のポケットから携帯を(勝手に)出す。あ、謙也て携帯auなんや、いや別にめっちゃどうでもええけど
隣でぎゃーぎゃーうるさい謙也を無視して電話帳を開いて忍足姓を探す。電話帳がやたら細かくグループ分けされてるせいですぐにわかった。なんやねんもうこいつ女子か。

「イトコの名前ユーシ?」
「おまえ携帯返せアホ!」
「ユーシに連れてってもらうんや!夢の国!」
「ちょ、やめろや!おまっ…後悔すんのは自分やぞ!」
「意味わからん!」

通話ボタンを押して呼び出し音が鳴る。数回鳴って音が途切れたあとに聞こえてきた声は…なんていうか…

「声ひっく!えっ何歳なんユーシ」
『は?えっ何なん誰やお嬢ちゃん』
「…お嬢…?…なんや色々あかんわ、謙也パス」
「ほらな言うた通りやろ」


「人に頼ったらあかんな、反省したわ」
「ちゃんと金貯めて行ってこい」
「謙也もな」
「なんでや」
「なんでって一緒に行くからに決まってるやん」
「は?」
「夢の国だって謙也おらんとつまらんっちゅー話や」
「え…えっ(なんで急に可愛く)お、おま、語尾ぱくんな」



暇人
(081102)
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