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「夏バテ知らずですね丸井くんは」
「当然だろい」
「待ってよいま比呂士の真似したのに」
「華麗にスルー」

こいつの柳生の真似はどうでもいいししかも似てないので無視するとして。大体夏バテとかいってる奴ってなんなの。夏は食欲なくなるーとかあほか。春と秋と冬にはある食欲がなんで夏になった途端なくなるんだよ。人類全体的に洗脳されすぎだろ。夏イコールバテるもんだと思いこんでる節があんだろい。
当然俺はそんな夏思考に洗脳されていないから夏でもめいっぱい食うけどね。むしろ夏こそ食う。なんか夏こそカレーみたいなCMあったよなあそういえば

「夏こそって年中食ってるくせに」
「うるせえな」

業務用アイスにスプーンをぶっさして食ってる奴に言われたくねーよ。まあ俺もだけど。
ちなみに今部屋はクーラーもついてて更に扇風機までふたりの間をぐるぐる回って風を起こしている。前髪をこいつから借りたヘアゴムで止めたらなんともあほっぽくなったが俺のイケメン度は3割増した。向かいにも同じ髪型。俺はいいけどおまえは眉毛ないからこえーよ

「眉毛くらいかけよな」
「別にいーよブン太しかいないし」

そう言ってスプーンに山盛りに掬ったアイスを大口を開けて運ぶ。もうちょっと俺のこと男として意識したほうがいいと思うんですけど。

「ブン太クーラーの温度あげて」
「暑いじゃん」
「さっむいわ」
「ここ俺んち。つまり主権は俺。クーラーの温度を操作すんのももちろん?」
「なにその問いかけ」
「当然俺」

向かいから足を蹴られたのでその足に足を絡めるとその足は思った以上に冷えていた。…そんな寒いのかよ。もっと深刻そうに言えよ。しかたねえな〜上げてやるか

「きもい足絡めるな」
「あ カッチーン」
「は?」
「僕今カチンときました」

一瞬顔を出した良心はすっと気持ちいいぐらいあっさりと引っ込む。クーラーの温度を下げて布団の上から毛布を引っ張ってくるまる俺。睨んでも無駄ですー。この毛布は俺の毛布なんですー

「そんな寒かったらこっちきやがれバカ女」
「そっちがこっち来てくるめブタ」
「カッチーン」


共依存の関係


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