爆豪とベビードール
お風呂上がり、鏡の前で自分の体を眺める。いつもは女っ気のないヨレヨレパジャマだが今日は別。コーラルオレンジのベビードールを身につけている。ベビードールといってもオフショルダーでもキャミソールでもなく袖があり、丈は短いもののベビードールにしては露出も透け感も少ないものだ。
「やっぱり可愛い。たまにはいいよね」
新しい服を着で気分が上がり鼻歌を歌いながらリビングに戻ると、タイミングよく玄関の扉が開いた。
「……んだよその格好」
「勝己くんおかえり。可愛いでしょ」
「いつものダセェのはどうした」
「たまにはいいかなーって買っちゃった。ねえ、似合う? 」
「…………メシ」
無視ですか。別に褒めてもらいたくて着てるわけじゃないからいいけど。一言、似合ってるとか言えないのかな。勝己くんには無理か。
「はーい」
これ以上言ってもウザがられるだけだと判断し、夕飯の支度を始めた。
「いただきます」
いつも通り黙って食事をするも今日は少し違った。黙ってはいるけれど、チラチラとこちらをみている。
「何?」
「は?」
「いや、さっきからチラチラ見てるでしょ」
「別に……何でもねェ」
「そっか」
腑に落ちないまま食事を続けるも、やっぱり視線を感じる。
「ごちそうさまでした」
視線の理由は分からないまま、食べ終わった食器を片してそのままお風呂に行ってしまった。

食器を洗い終えてソファに腰を下ろしテレビを見ていたら勝己くんがお風呂から上がってきた。
「え」
「アァ?」
「上どうしたの」
いつもティーシャツを着ているのになぜか首にタオルをかけたもまま半裸で出てきた勝己くん。相変わらずいい身体してんな。ってそうじゃなくて。
「ごめん、服置いてなかった? 」
「そうじゃねェ」
「えっ、じゃあなんで? 」
理由を聞くと目をそらされた。
「……誘ってんじゃねェのかよ」
ボソリと呟かれたその言葉は私にはっきり聞こえてしまった。
「えっ」
「何でもねェ、寝る」

ベビードールやっぱりたまにはいいかも。



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