ね こ み み
ド定番
→ドフィに猫耳が生えた→
混乱と不安に襲われながら、ドフラミンゴはとりあえず大爆笑しているトレーボルを一度殴っておこうと考えた。
「わー……かわ、いい?」
「似合わないのは分かってるから無理して褒めなくていい。」
明らかに疑問型の感想をぶつけてきた娘に、率直に返す。似合わないのは当然、むしろ似合っていると言われたほうが恐ろしい。目の前の娘のような、常日頃から可愛らしいと形容される人物ならともかく、可愛らしいとは対局に位置している筋肉多めの成人男性に猫耳が生えて誰が喜ぶのか。
「あ、手触りすごくいいですよ。」
無駄に髪の色と同色の毛が生えた猫耳を指の腹で撫で、娘は楽しそうな声を零す。楽しんでいる娘には悪いが、ドフラミンゴにとっては威厳やら体裁やらその他諸々に多大な悪影響をもたらす元凶でしかない。
「尻尾はないんですか?」
「お前は何を期待しているんだ?」
→娘主に猫耳が生えた→
娘の耳が増えた。
―どういうことだって?おれにもまるで意味がわからないが、とりあえず娘の頭に、猫の類のものと思われる獣の耳が生えたのである。
しかし、これはこれで。
「鳴いてみろ。」
「流石にそれはちょっと。」
いつもは9割9部9厘父親の命に従う娘でも、その内容、必然性、そして本人の自尊心が、猫として愛玩されることを許さないらしい。
「安心しろ、可愛いから。」
「はぁ、ありがとうございます?」