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中二病ゲーマー系マスター

自分が世界最後のマスターで、世界の未来を取り戻さなければならない―そう聞いたとき、普通ならばどんな反応をするのだろうか?
動揺し、怯え、竦み。自分に課せられた重責に恐怖するのが普通ではないだろうか。

いや、それともその"普通"ではないからこそ、彼女は最後のマスターと成り得たのか。

「世界の未来を取り戻す…ふむ、宇宙を救い、世界を救った私に未来を取り戻せと。なるほど、次はそう来たか。良いだろう、やってみせようではないか!」

「ちょちょちょっとまって!?宇宙とか世界とかなんの話!?」

もしかしてとんでもないマスターを捕まえたのでは!?と驚愕するロマンに、少女はニンマリ笑いながらポケットからあるものを引き出す。
特別性でもない、市販のよく普及した携帯ゲーム機。

「…なんだ、ゲームの話か……。」

肩を落とすロマンに、何を落胆している、と少女は語りかける。

「そうだ、私が宇宙を救ったのも世界を救ったのもゲームの話だ。だが、だから役に立たない経験だとでも?否!画面越しに救った世界は、人々は、今もどこかに存在しているのだ!この経験が無駄であるはずがない!ゲームの世界が架空だと、誰が決めた?」

「お、おお…??」

「私に任せてくれ、ドクターロマン。世界を救う―それは夢物語ではない、紛れもない私達の未来だ!!」

「お、おおおお…!?」

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