雑記 | ナノ


11/04(Fri):SBSが地雷どころか核ミサイルだった

※ニリツ近親相姦ネタです。
・鬱引きずってる
・時系列不明(ドフィが再登場したら…を想定)
・独自設定しかない
・名前変換ありません
苦情は受け付けません。




目が覚めた時、ネアがいたのは麦わらの船だった。

『あ、目が覚めたか。』

彼らの小さな船医が言うには、ドンキホーテファミリーの船医では手に負えない状態だったらしく、チョッパーが引き取ったのだと言う。とはいえ彼(彼?)でも見たことがない症例であったそうだ。それもそうだろう、とネアは自虐的に笑う。だって、ネアはこの世でただ一人の―
輸血された血液はドフラミンゴのものであると聞いて、ネアは泣きたくなった。どうしても、この血の繋がりからは逃れられないのだから。


目が覚めて2週間ほど経ってから、少し動いたらどうだとチョッパーに提案された。ずっと寝ていても治るものではない、それはネアも知っていた。もうしばらくこちらの船でお世話になるのだから、着替えとか、暇つぶしに本とか、そういったものを取りに行こうと隣についたその船に戻ろうと思ったのは何故だろう。そこにしか自分の居場所はないと無意識で気づいているのだろうか。

体格の近い"悪魔の子"、ニコ・ロビンから黒のワンピースを借り、ネアはその船に戻った。勝手知ったる我が船だ、なんの迷いもなく自室まで歩く。蝶番をきしませて、見慣れた扉を開いた。

(!…懐かしい。)

本棚を漁っていると、分厚くて、少し饐えた臭いのする本を見つけ出す。××研究日誌と書かれた表紙をめくれば、何度も見た写真が見えた。―巨大な目と、異常に小さな手、明らかな異形のそれ。
ネアがネアですらなかった頃の、意識も自我もなかった頃の姿だ。ページをめくればどんどん人の姿に近づいていくのだけれど、この一番最初の姿がネアはいちばん好きだった。きっとこの頃は、自分が何者かも、どう生きていくのかも知らなくて―父親の精巣から出てきた可能性の一つに過ぎなかったのだ。
戻りたい、戻れたら、とネアは郷愁に駆られた。いや、郷愁ですらない。母胎回帰願望、と言うものがあるらしいけれど、それの父親版はなんというのだろう?


ドアが数度ノックされる。はい、と返事だけして、見ていた本を閉じて机に伏せる。

振り返れば、部屋の入口には父親がいた。

ひゅ、と喉が震える。いつも見慣れたその長身が、今は体が震えるほどの威圧感があった。

「おとう、さ、ま…」

ドフラミンゴがその長い足で、ゆっくりと距離を詰める。その姿を直視できなくて、ネアは視線を逸らした。―もう、知られてしまったのだ。私がお父様を好きだって。

かん、とドフラミンゴの靴が床を叩き、ネアの前に立ち塞がる。

「ドルシネア。」

何か返さないと、いつになく低く、不機嫌そうな声に背筋を震わせ、反射的にそう考える。けれど、何を返せば怒られないのか、ネアにはわからなかった。

視線も合わせず、声も発さないネアにしびれを切らしたのか、ドフラミンゴはその手でネアの顎を掴み、自らは少し身を屈ませて無理やり視線を合わせる。

「ドルシネア。」

「は、はい…」

無理やり上を向かされたネアの視線がサングラス越しのドフラミンゴの視線と重なる。ネアの赤い目は、不安と隠した激情で揺れていた。

そのさまをしばし眺めて、ドフラミンゴは長い溜息を吐く。まったく、この娘は。

「…その服はどうした。」

何から怒られるんだろう、と構えていたネアは、唐突な質問に素っ頓狂な声を上げる。

「え、ええ、ああ。ロビンさんからお借りしました。」

そうか、とだけ返し、ドフラミンゴはネアの姿を見下ろす。黒一色のワンピースはシックでいいが、少し胸元が開きすぎではないか?父親として―ではないか。ただ一人の男として、幼稚な独占欲が顔を出す。

「悪くないが…なんか上に羽織れ。」

「?はい。」

わかりました、ネアは大人しく従う。何度も繰り返した"親子"の会話だ。安心すると同時に、やっぱり何も変わらないのか、と少し悲しくなる。仕方ない、だって私はお父様の娘なんだから―

すっと耳の後ろに回された冷たい指先に、ネアは思わず首をすくませた。ネアのものより幾分大きい、ドフラミンゴの手のひらがネアの頬を覆っていた。

何か声を出そうとしたネアの唇を、ドフラミンゴの親指が塞ぐ。そのまま右から左へ、合せ目をなぞって、最後に口角を拭うように指の腹でなぞり上げた。
そして、まるでそうするのが当然とでもいうかのように、ドフラミンゴはなぞった唇に己の唇を重ね合わせた。

「…え?」

一秒にも満たない時間だけ分け与えられた体温に、ネアは目を丸くした。

「次、こっちに来たときは真っ先に俺の部屋に来い。いいな?」

「は、はい。」

知らない感触を与えられた唇を押さえながら返事をする。血色の悪い頬に僅かに朱色が指したのを見て、ドフラミンゴは嬉しそうに唇を歪めた。




しかし近親相姦って倫理的にも遺伝子的にも終わってるよな…
ホントはこの前日譚があるんですけど(というよりそっちが本編)、どんなんかって言ったらDoDのフリアエの本心が司教ちゃんに明かされるような…まあ娘主が娘であるがゆえの歪みとか、ドフィがこれまで娘に強いてきたことの代償をすべて清算する話です。原作でドフィが再登場してある程度条件が整ったらかけるんですけど…あんま書いていい話でもないですね。



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