夢 | ナノ

あまいこえ

「どうかしたのか?」

ぼんやりと窓の外を見て「あぁ、夏だなぁ」って思っていると、後ろからクリスくんが声をかけてきた。

クリスくんの声は特別驚かされるような大きさではないけれど、いつも私の心に心地よくしみ込んできて、鼓動を早くする。

「夏だなって」
「あぁ、そうだな」

昨日の雨とはうってかわった日差しにクリスくんも窓の外を見て目を細めた。

私の早鐘を打つような鼓動にこれっぽっちも気づくこともなく、クリスくんは夏の空にうれしそうに口元をゆるめる。その横顔に自分の顔がほてってくのがわかった。赤い顔を気づかれないように俯くと、クリスくんは私の耳元に口を寄せてきた。

「赤いな」

その言葉と息さえも届くこの距離は私の耳も瞬時に赤く染めてしまった。

初出20070710ブログより転載


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