夢 | ナノ


直接的表現はありませんが18禁要素のお話です。18歳未満の方はご遠慮ください。






体の内側に伊佐敷くんを受け入れる。ついさっきまで別々でいることが当たり前だったのに、一つになってしまうとこれが本来の私たちなのではないかと思うほどに馴染む。受け入れるまでの熱がゆるく温かい穏やかな快感に変っていく。

伊佐敷くんは私の顔の横に手をついて一息つくと、穏やかな目で私を見た。私はそれを下から眺めた。

伊佐敷くんがついていた手をひじに変えるとお互いの顔が近くなる。手を伸ばして、私に落ちてくる伊佐敷くんの前髪をかきあげた。意外にもやわらかな髪は私の手を気持ちよく通り過ぎていく。伊佐敷くんも気持ちいいのか口元をゆるめたまま目を細めた。生え際をなぞるように指を動かすと伊佐敷くんもひじをついたまま私の髪をなでる。体を突き動かす快感ではない、心に広がる快感はお互いを想いあっていてる証拠だと思う。

心の中で好きと何度も繰り返すと、伊佐敷くんの目も同じことを語っているように感じるのは、うぬぼれかな?

伊佐敷くんの前髪をかきあげて、その手で私の方に少し力をいれて引き寄せる。そしてゆっくりと近づいてきた伊佐敷くんの額にキスをした。

伊佐敷くんは私のくちびるが離れると、さっきの穏やかな目はどこにいったのかと思うほどに男の顔して笑った。その顔はこれから私に激しいほどの熱をもたらす前兆だということを、私は知っている。ぎゅっと手に力をいれると、伊佐敷くんは私のくちびるをふさぎ、ゆっくりと動き始めた。

初出20070712ブログより転載


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