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 マルフォイがこっちを見て薄ら笑いした。やっぱりアレはマルフォイだったんだ……。


「気味が悪いよ……。ねぇハリー、そういえばスネイプに君、口封じを頼むとか何とか言ってなかったかい?」


 口封じしたらマルフォイは死んじゃうんだけど、ロンは気付いてないみたいだ。ハーマイオニーがキビキビと説明しだす。良い、ロン? 口封じって言うのはね……


「断られたよ」

「やっぱりあいつはスリザリンだよ!」


 説教くさいハーマイオニーを邪魔そうに手を振り、ロンは嫌そうなのを隠しもせずにレイノを悪し様に言った。向こうでニヤニヤと笑ってるマルフォイにレイノが声をかけてる。


「でもロン、スネイプはスリザリンなのよ?」

「だからそうさっきから言ってるじゃないか!」

「違うってば。スネイプは私たちをそう簡単に庇える立場じゃないのよ、だってスリザリン生なんだもの」


 ハーマイオニーが頬に手を当てて言ったことに、ロンが何を言い出すんだとばかりに片眉をはね上げた。ハーマイオニーの言葉はそう、レイノが言ったのと同じ内容だ。


「レイノも言ってたよ。『私にスリザリンの中で浮けって言うの?』って。僕らを庇ったら、レイノが仲間外れにされちゃうのも確かなんだ。だから仕方ないんだよ」


 マルフォイがレイノに何か反論して、レイノがそれをおちょくってるみたいだった。パーキンソンが腕組みして、ビキンスがふわふわしてる。


「ホラ! ね、スリザリン生だから仕方ないのよ。それにロン、どうしてあなた、スネイプをそんなに敵視してるの? スネイプは感じの良い子よ」


 ハーマイオニーが眉をハの字にして聞けば、ロンはそんな話なんて聞きたくないとでも言うようにそっぽを向いた。


「あいつ、いけすかないんだよ! 悪魔みたいな奴だよ、本当に」

「あなた、おんなじ様なこと私に言ったの覚えてる?」


 ハーマイオニーが首を傾げながら詰めよると、ロンはとたんにどもって言い訳しだす。


「エー、あれだよ、あれ。君は本当は悪夢みたいじゃなかったってことだよ!」


 レイノたちはコントみたいなことをして、また揃って次の教室に向かって歩き出した。マルフォイたちに分からないように僕を振り返って、器用にウィンクした。


「レイノは助けてくれてるよ、ロン」


 僕は二人に言った。


「だって、今も助けてくれたよ」


 面白くなさそうな顔をするロンと、僕の話を聞いてレイノがスリザリンにいる理由が分からないと悩みだしたハーマイオニーと三人で、時間も迫ってたし、僕は次の教室に急いで走った。


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