グリフィンドール対ハッフルパフの試合は、セブが審判をするからだろーけど皆が見に来てた。ジジイが来てるのを見てセブが苦々しそうにしてたのって、ジジイがいたら自分が審判申し出る必要なかったからだよね。ジジイ酷ぇ。今度『アイラブ美少年』って書かれた上着贈ってやる。それとも『アブノーマルラブ万歳』とか。喜んで着そうだけど。


「グリフィンドールなんてハッフルパフに大敗してしまえば良いのさ」


 観客席で試合開始を待ってると、隣のドラコが鼻を鳴らした。試合前にハリーたちをおちょくりに行ったけど、私のアッシーをしなくちゃいけないからすぐに帰って来たみたいだ。じゃあロンとの喧嘩はなくなったんだな。











 笛の音と共に試合は始まり、五分足らずで終了した。だから来るの面倒だったんだよね、セブが審判するんじゃなかったら来なかったよ。それにしても顔が寒い。シュラフに魔法をかけてジャンパーにする。一応靴は持ってきてたからそれを履いた。


「どこに行くの、レイノ?」


 アメリアが目を丸くしたからグラウンドを指した。


「セブんとこ」

「いってらっしゃい」

「グリフィンドールの馬鹿共には気をつけるんだぞ?」

「教授がいるから大丈夫でしょうけど、ポッターには近寄っちゃ駄目よ」


 アメリア、ドラコ、パンジーだ。ええもちろん、特に双子のウィーズリーには絶対に近付きませんよ。

 塔内部の階段を駆け降り、グラウンドを突っ切った。スリザリンとハッフルパフ以外の寮から上がる歓声が煩いことこの上ない。ハッフルパフとしたら負けて悔しいだろうし、でもスリザリンが首位から外れたことが嬉しいんだろうし(そう考えるとなんかムカつく)、微妙な心境なんだろうなぁ。


「セブ! お疲れ様っ!」


 グリフィンドール選手はハリーを胴上げするのに忙しいみたいだ。ハリー酔うんじゃなかろうか、どうでも良いけど。セブの腰に抱きついて見上げれば、頭を撫でてくれる。


「疲れるほどのものでもなかったがな」

「まーね」


 五分で終わったんだ、疲労困憊してたらどんだけ体力ないんだ。私のニンバス2000を貸し出してたから、セブの手の中にあるのは今のところ使い勝手が最高ランクの箒だ――三年生になるときにはファイヤーボルトになるんだろーけど。セブは飛行術があんまり得意じゃないし、ニンバスなら楽かなと思ったのだけど、どうだろう?


「どうだった、ニンバス」

「うむ、使いやすかったな。思い通りに動く良い箒だ」


 私はハリーが宙に放り投げられてるのを――まあ、あんまり良い気分はしないまま視界から外した。双子の兄が勝ったのは嬉しいけど、私の育ての親が疑われてるのはあまり喜ばいことじゃなかった。









 箒置場に箒をなおしに行き、その後セブの部屋でまったりと紅茶を飲んだ。久しぶりに私の水出し茶じゃなくてセブの淹れた紅茶を飲んだような気がする。どっちが美味しいとか不味いとか、全然分からん。


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