今年のクリスマスはプレゼントを渡さにゃならん相手も増えたけど、くれる友人も増えたから差し引きゼロというところだろうか。ナルシッサさんには昨日のうちにセブ曰くの『甘くないクッキー』を渡してある。

 セブはあまり甘いものが好きじゃないから、意外そうにサクサク食べてた。こんなに枚数食べるとは思わなかったみたいだ。セブみたいに、クッキーが甘すぎるから食べられないって人もいるんだろうと思うんだがね。甘さ控えめってのは考え付かないのかね?


「ぷ、ぷ、プレゼント♪」


 自作の下手な歌を披露しながら御開帳〜。パンパカパーン、どこで○ドア〜。某有名猫型ロボットの真似をしながらプレゼントを掲げた。秘密道具じゃないからさっさと腕を下す。虚しいなと思ったのは内緒だ。


「おお、素晴らしい……!」


 セブから貰ったのは箒磨きセット。ハリーももらってたが、セブが選手としての私に期待してくれていると思うと胸があったかくなった。見ててねセブ、今期からスリザリン寮のビーターに死角なしだよ。

 アメリアからはお母さんとの合作だというラスク。死ねというのか。感想ちょうだいね、と書かれているから――紅茶に浸して食べよう。少しはましになるはずだ。沈みながらラスクの蓋を閉めたら、蓋の色が淡い黄色から赤に変わった。魔法がかかってるみたいだな。もう一回開けてみた。


「こっちが本命か……」


 出てきたのはもう一枚のカードとティーセット。これで紅茶を淹れるのを練習してね、と書かれていた。なるほど、そんなに私の淹れる紅茶は不味いんだな?





 ドラコとドラコのとーちゃんかーちゃんことマルフォイ夫妻からは、昨晩のドレス以外にプレゼント貰っちゃうのは凄く気が引けた。包装紙からして立派だ。開けるのがもったいないってか怖れ多い。一応『甘くないクッキー』の別に日本からの帰り道に京都に寄って、手鏡と櫛をシシーに、扇子をルッシーに、お箸をドラコに買ったよ? でもお値段が違いすぎるのさ。うむむ。つき返すのは失礼だし……開けようか。

 柔らかな肌触りのマフラーでした。銀色の。銀色と言えばアレだよね、透明マント。紗を幾重にも重ねてて、見るだけでも価値があるなぁ。使うのもったいないな、でも使わないとドラコ悲しむだろーな。





「ジジイからか」


 ジジイことダンブルドアからはホグワーツわくわく探検セットというものを貰った。深夜徘徊許可証、閲覧禁止の本棚から自由に本を借り出せるジジイのサイン、ペン型ライト。……校長自ら推奨してどーするっ!! カードには姿が他人から見えなくなる呪文が書かれてたけど、その呪文は知ってたからいらんかった。まあ、今までのプレゼントの中で一番ましだったな。


「パンジーのは」


 おめかしセット。パンジーのカード曰く、『子供に見られないようにするには化粧しかないわ!』だそうだ。別に……老け顔に対抗しようとか思わないし、子供に見られても気にせんのだが。パンジーは私に向けられる周囲の視線に憤っていたようだ。有り難く――数年後に使わせてもらおう。

 ミネルバからはネッカチーフをもらった。ハリーからは――


「何でだよ」


 キャンデー詰め合わせセット。とってもいらん。


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