今夜はドラコん家でパーティーだ。懐かしいな、パーティー。ヴォルディーに付いていくと私も闇陣営の仲間だと思われるから変身して行ったんだよね。

 うさぎちゃんになるべきかセイントテールになるべきか迷ったよ。でもヴォルディーを『エンディミリオン!』って呼んでみたかったからうさぎちゃんに変身したんだよな。呼んだ時のヴォルディーの顔は面白かった。誰だそりゃって言うから、ロリコンの名前って答えておいた。間違ってはないぞ。


「セブ、セブも来るでしょ?」


 なんてったって、セブが唯一頼りにした先輩だもん。それに私が(主に食糧的な意味で)お世話になってるからねー。


「ああ。ドレスを借りるから早く行かねばならんのだろう?」

「うん。新調するには時間がなかったし、まだドレスの必要性を感じないし」


 どうせ四年の時に買わにゃならんのだ。今んとこ必要ないしねー。


「似合うドレスがあると良いのだが」

「奇抜なデザインでもなきゃどれも似たり寄ったりだと思うんだけどね」

「少数意見だな」


 目を丸くされた。何でだろ? 外人のガキって大概天使みたいな顔してるから(つまり今の私にもそれが適用されるわけだけど)、よっぽど奇をてらった服でもない限り似合うだろ。


「ううん、少数意見なのか……」

「そうだ。レイノには例えば――緑や銀色が似合う」


 スリザリンカラー☆ 金色は似合わないと言われたけど、金色のドレスなんて成金趣味っぽいから着たくないよ。









 セブに姿現わししてもらって(私も出来るけど、したら問題になる)、ドラコの家のすぐ前に現れた。いつ見てもでっかい家――つーか屋敷だよなぁ。維持費にいくらかかってんだろ? こんな無駄の多い屋敷、処分しちゃえば良いのに。もったいないもったいない。これだからABBAに『金持ちはいつもお天気』って歌われるんだ。経費削減したら良いのに。


「レイノ! よく来たな!」


 私たちがきたことが分かったんだろう、ドラコがわざわざ迎えにきた。セブにも律儀に挨拶してるし、ハリーのこと以外ではちゃんとした子なんだよねぇ、ドラコって。





 ドラコの案内で屋敷に向かう。門と屋敷の間は長く、家主やその家族か、許可をもらった奴じゃないとショートカットできないようになってる。パーティーまで時間はまだたっぷりあるし、私に自慢の庭を見せたかったらしいドラコの先導でそこを歩いた。あ、あの首のえぐれた石像、私がしたヤツだ。


「ねーねードラコ。あの首のない像って」


 どうして置きっぱなしなんだ? アブラカタブラへの嫌がらせに吹き飛ばしたんだけど、片付けなかったのか?


「ああ、あれか。あの像は僕の祖父上が御存命の頃『あの像の首が飛んだおかげで、私の首が繋がっている』と仰って、片付けないように命じられたんだ」


 さようか。――まあ、サイヤ人の真似でストレスは解消したし、アブラカタブラに杖を向ける必要がなくなったのは確かだな。でもそうか、そんなこと考えてたのかー、アブラカタブラ。


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