レイノはスリザリンに組み分けされてしまった。せっかくレイノと学生生活を送ることができると思ったのに、よりにもよってスリザリンとは!

 ロンやネビル達との会話が途切れ、ハリーは急に悲しみの感情に囚われた。

 マダム・マルキンの店で初めて会ったとき、なんだか心が暖かくなるような気持になった女の子。栄養不足で背の低いハリーより更に小さい彼女は、背丈に反比例して大人だった。一緒にいたいと願っていたのに、どうして彼女はスリザリンなんかに行ってしまったんだろう?


「ハリー、どうしたのさ?」

「いや、何でもないよ」


 心配そうに声をかけてくるロンに頭を振って、ハリーは教師席を見た。レイノが席に行く前に教師席を見たのはきっと、魔法薬学の教授だという父親の反応を見るために違いなかった。でも教師席には当然ながら何人も男の先生がいて、誰がそうなのか分らない。









「イタッ!」


 クィレル先生のターバン越しに、顔色が酷く悪い鉤鼻の先生と目が合った。その瞬間のことだ、額の傷に激しい痛みが走り、ハリーは反射的に額を手で覆った。


「あそこでクィレル先生と話しているのはどなたですか」


 大嫌いを通り越して憎んでいるような目だと思った。どうしてそんな憎まれているのだか分らないけれど、理不尽な程の怨恨が込められたそれに肩も跳ねた。

 パーシーに訊ねれば首肯とともに答えが返ってくる。


「おや、クィレル先生はもう知ってるんだね。あれはスネイプ先生だ。どうりでクィレル先生がオドオドしてるわけだ。スネイプ先生は魔法薬学を教えているんだが、本当はその学科は教えたくないらしい。クィレルの席を狙ってるって、みんな知ってるよ。闇の魔術にすごく詳しいんだ、スネイプって」


 そういえばスネイプ姓の新入生がいたみたいだけど、血縁者かな? と首を傾げるパーシーの独り言は聞き流し、レイノの父親だというスネイプ先生を見つめた。







 それからは二度と目が合うことはなくて、寮に行くまで何ともいい難いもやもやがハリーの胸を満たしていた。














 次の日スネイプ先生の背中に貼り付いているレイノを見かけたとき、ハリーは彼が嫌いになった。


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