PQRS、だから私はハリーの少し後だ。懐かしさしか感じない星の天井を見上げながら真ん中の通路を歩けば強い視線を感じ顔を上げる。誰かと思えばジジイだった。何度もウィンクしてきて、はっきり言ってウザい。ハリーがだいぶん長いこと帽子と話し込んでるから暇で暇で、ジジイを無視して教師席にセブの姿を探した。

 セブは私と目が合うと薄く笑った。てか、これが笑ってる範囲内だってわかるのは私くらいじゃなかろうか。満面の笑みを返す。セブ、二十年ぶりー。


「グリフィンドール!」


 帽子が叫んだ。知識として知っている私からすれば当然の結果だけど、知らない彼らからすればうれしい結果だ。グリフィンドールが湧いている。



「スネイプ・レイノ!」


 何人か間に挟み、私の番がやってきた。騒がしさを引きずる広間がシンと静まった。そして波打つ囁き声。曰く、あの陰険教授って結婚してたんだ、娘と全然似てないね、子持ちだなんて想像できないうんたらくんたら。否定できないのが辛いねははっは。庇う気なんてないよ。


「こんばんは、組み分け帽子」


 私は閉心術が大の得意だ。なぜって、セブルスが一番に教えてくれたのが閉心術だったから。何子供に変な術教えてんだ、って突っ込みはナシの方向で。


「おやおや、君の中は全く見えないね。でも微かに分かる……君はそう、ここだ――」

「スリザリン!」



 セブを振り返れば、他の人も分かるほどの笑みで手を叩いていた。よっぽど嬉しいんだね、セブってば。ハリーが寂しそうに見つめてくるのは無視し、私は愛するデコの元へと駆けた。


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