6 私は自分を見下ろして、照れた。ていうか恥ずかしいわコレ。服は全部燃えちゃって、ボロボロの消し炭どころか黒い砂と化してる。つまり私は素っ裸。 「すみません先生、その羽織を貸していただけます?」 「ああ……ほれ」 「有難うございます」 羽織はミニスカくらいの長さがあったから一安心だ。ちゃんと左前にならないように前を合わせる。 「スネイプよ、お前さんは魔力が暴走し、燃えた。合っているね?」 「ええ、その通りです」 「なら何故今五体無事なのか、説明できたら説明してくれんかね」 「――分かり、ました」 花園先生に隠すのなんて意味ないし(すぐにバレること確実だよ)、私はこれが二度目の生であることと、死ななくなった理由を話した。 「ふむ、お前さんはわたしの思っていた以上に面白い奴のようじゃな。――よし、スネイプ。今日からお前さんは花園と名乗るのじゃ」 「は……?」 「要は養子になれと言っておるのだ、今日からお前さん――他人行儀だしレイノで良いか――の苗字は花園じゃ。オウケイ?」 イギリスでは『オウケイ』と言うのじゃろう、と訊いてきた花園先生に頷く。だけど、何で養子なわけよ。 「私、外国人ですよ。それもエゲレス出身ですよあの飯が不味い」 「日本人だろうがエゲレス人だろうが気にしゃあせんし、増して飯の味なんぞどうでも良い。レイノは面白い。わたしに今までにない高揚をくれる。だからレイノの身元引受人になろうと言っておるのじゃ」 花園先生って、快楽主義者だったのか――じゃなくて! つまり、気に入ったから、私の後見をしてくれるってことだろうか。 「良いんですか?」 「良いと言っているじゃろ?」 花園先生は『これからはお義父さんと呼びたまえ』と言って私の頭を撫でた。『お義祖父ちゃん』じゃないのね。 |