なければ作れば良い


 ベジータ星出身の某猿の尻尾付き主人公よろしく、カメハ○波を打ってみたくなった。カ○ロットになりたいんだ! 連載終了させたいのに株価とかの心配までさせられてなかなか終わらせてもらえなかったあの某竜玉マンガの真似をしたい。







 今私はマルフォイ家のお宅に突撃隣の(?)晩御飯! を開催中なのだ。まだ昼だけど。でもヴォルディーってば忙しいとか言って来なかったから、暇。あんまり暇なんでウィキウィキ唱えてネットに繋いだら、DBネタを見かけて急に懐かしくなったのだよ。そうだ、カメハ○波打とう! みたいな。


「ねえ、アブラカタブラ」

「は、はい」


 立派な庭を鑑賞しつつ紅茶啜って呼べば、最近生え際が私の望み通りに後退してきたアブラカタブラことアブたんがビクビクと怯えながら返事してきた。なんだよ、そこまで怖がらんでも良いではないか良いではないか、あーれーお代官様ぁー☆……閑話休題だ。思考が飛翔した。


「カメハ○波打って良い?」

「……は?」

 まだルシウスも生まれてなけりゃDBの連載も始まっとらん。分かる奴がいたらそいつは私とお友達になれるね。アブたんは分かるはずもなく聞き返してきた。イイんだよ、言ってみただけだから。とりあえず聞いてみただけだもんね。




 駄目って言われようがするに決まってるんだから。




「カーメ」


 椅子から飛び降りて、アブたんに狙いを定めて構えた。雑に置いたティーカップがソーサーとぶつかって痛そうな音。

 アブたんってば困惑してる。そりゃあそうだよな。――私ってば極悪人☆ でもアブたんだから良いんだよ。


「ハーメ」


 一瞬息を止める。リキんで、放つ!


「波ぁ――!!」


 今アブラたんを殺しちゃうとルシウスが生まれなくなっちゃうから殺すのは駄目だし、殺すつもりもなかったから首のすぐ横にずらした。アブたんの後ろにある、セクシーな石像の首が飛んでいく。力加減は難しいな。もっと小さいのにするつもりだったんだが、直径二十センチくらいあった。うむうむ、改善の余地があるな。


「――何を、打つと、仰いましたか……?」

「カメハ○波。ついでにドラゴンのボールを集める権利を持った人にしか打てないから」

「そう、ですか」


 今度は超死ぬ気とかになってみようかな。あの作品はどうもDGを彷彿とさせてくれるもんだから、ジャ○プ編集部の圧力かしら☆ とか思っちゃうんだよね。初めギャグなのにどんどんバトルになっちゃうし。初めのあの不条理ギャグはどこへ行った! パンツ一丁になれよ鮪!


「ああ、暇だわ。天下一武道会とか行われんかね。クンフー逝こうぜクンフー」


 三歳の時日刊予言者新聞に、中国人魔法使いがクンフー世界一! とかいう記事が載ったことがあった。肉段戦できる魔法使いって最強じゃね? と思って一ヶ月くらい修行したらチートのおかげかすぐに修得できて、今でも時々使ってみてる。だいたい練習台はアブたんだけどね。


「パンがないならケーキを食べれば良いじゃない――流石マリー・アントワネット様、真理を理解していらっしゃる。天下一武道会がないなら開いちゃえば良いじゃない」





 この後ヴォルディーに企画書を提出したらビリビリに引き裂かれた。ムカついたんでクルーシオしてやった。










ドラゴンのボールを集める権利に関して


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