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 いくらスリザリン内とはいえ、人にはあまり聞かれたくない話だ。人よけの魔法をかけて、私とリドル、ついでにアブラカタブラの三人だけが談話室にいた。


「えーっと、ここで重大なお知らせがあります」


 私はハイ! と挙手した。リドルが私の教育の賜物か「はい、鈴緒さん」とのった。アブラカタブラが微妙そうな顔をしてる。そのうち貴様もこのノリに感化されるんだよー。


「つい今朝分かったことですが、私は不死者でした☆」


 アブラカタブラは今朝知ったのか、と。リドルは不死者?! と素っ頓狂な声を上げた。


「それでー、なんでそのことが判明したかを言いますと」


 アブラクサスの顔色が悪くなった。血色良くなってきてたのにね。


「そこなるアブラカタブラがポカして、私を殺しちゃったからなのだ」


 リドルのいつにない、冷酷な刃を含んだ目がアブラカタブラを刺す。アブラカタブラってば震えだした。ああ、可哀そう……でも庇わないよ☆


「リドルが裏で何してんのか、私は追求するつもりは全くないよ。犯罪に手を染めようが新興宗教の教祖になろうが私にはどうでも良い。リドルがリドルであることに変わりはないからね」


 リドルがガバッと顔をこっちに向けた。ちょ、リドルさん顔怖いよ?


「でも、私まで巻き込まれちゃ困る。私が裏街道走ったら泣く人がいるんでね」


 闇に染まって、でも光に手を伸ばしてて。最愛の人を亡くした罪を孤独に背負ってるあの人に、顔向けできなくなっちゃうんだよね。


「鈴緒……知ってたんだね?」

「うん」


 肩を落とすリドル。え、そんなに知られたくなかったの?! 私悪いことした? もしかして。


「まあ今朝判明したように私は不死者なわけだけども。殺されりゃ痛いし辛いし苦しいし、拷問なんてされたらボロボロと企業秘密をしゃべっちゃうかもしれんのだよ」


 杖がなくても魔法つかえるから逃げれるんだけど、それは秘密です♪


「いくら私が学年主席で毎年リドルを抑えてトップに君臨し続けているとはいえ――キャ☆ 鈴緒ちゃん超心配☆」

「うそをこけ」


 リドルが真面目に突っ込んだ。口調変わってるぞ? 全く、ちょっとブリッ子の真似をしただけだっつーのに。


「と、そういうわけで、私を巻き込んだら男性的にか社会的にか殺す」


 リドルが勢い良く引いたから、椅子がガタガタいった。アブラカタブラの顔色は真っ白だ。大丈夫大丈夫、アブたんはまだ殺したら駄目だから大丈夫だよー……まだ。


「冗談だよ。今のところ」

「その言葉が不安を煽ってること、分かってる?」

「そのつもりで言ったんだよ」


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