6 十一時にキングスクロス駅に着けば良いんだが、移動時間を別にしてまだ二時間あった。ロンドンの土産物屋を物色し、何が良いかなパッ○ンチョ♪ とか口ずさむ。羽ペンは当然余分に持ってるだろうし、羊皮紙――もあるだろう。なければないで、あいつは他人に貢がせる。極悪非道だな、はっはっは!――どれが良いかね……。もういっそのこと日記でも贈ってやろうか。将来に言うリドルの日記とか、どーだ。 日記を買ってロンドンを出た。うむうむ、これが将来ジミーを誑かすんだね。やっぱりリドルは夜の帝王だね。 「あやや? そこなるはマルフォイ先輩ではないですか」 「来たな、鈴緒・小早川……待っていた」 ホグワーツ特急の乗り場に着くと、ドラコのお祖父ちゃまがいた。二年上の先輩なんだよね。今年でお別れになるんだね……じゃあ写真一杯撮っておかなくっちゃ。特にデコを。シルバーブロンドはやっぱりオールバックだし。 出発までまだ一時間半ほどあったから乗り場は閑散としてて、寂しいことこの上ない。うむむ、何だかいやな予感だわ……。 「あのお方は貴様に甘い……」 御名を教えて頂いていないくせに、と、吐き捨てられる。そのために待ってたの? それもこんな朝早くから? 健気だね……お姉さん萌えて心がキュンキュンいっちゃうよ。健気萌えっ! 「うんそれで、どうしたんですか?」 これ以上あのお方に近づくなー! とか、お前なんて認めてないんだからっ! とかだったらツンデレのツンと判断しますぜウヘヘヘヘ。デレが楽しみになりますねぇグヘヘヘ。 「あのお方ができないのなら、私がお前を排除する……! 今はまだ人気もないし、ちょうど良い」 わあ、一方的な献身だなぁ。こーゆーのが良い迷惑って言うんだよね。リドルも部下の教育はちゃんとしなくっちゃ。駄目な上司の元には駄目な部下しか集まらないんだぞ! 「それで、どうすると」 ドラコみたいに、パパに頼って学校をやめさせる――様なキャラじゃねーな。お祖父ちゃまのパパも理事長らしいけど。 「死ね――アバダ・ケダブラ」 突然すぎる攻撃に、私のチート能力は対応しなかった。予想外の魔法だったし、流石に死の魔法は想定外だったからだろうな。嫌がらせ程度だと思い込んでいた私の馬鹿! 思い込みは致命傷につながるんだぞ! 視界はブラックアウト―― |