「スネイプが僕を救おうとしていた?」

「その通り」


 だから教授って付けろよハリー。そんなハリーにクィレルはわざわざ優しくもセブがいかにハリーを守ろうとしてたか解説してくれ、ハリーの目はますます丸くなる。そして無言呪文でハリーは簀巻きにされた。


「ポッター、君は色んなところに首を突っ込みすぎる。生かしてはおけない。ハロウィーンの時もあんなふうに学校中をチョロチョロしおって。『賢者の石』を守っているのが何なのかを見に私が戻って来た時も、君は私を見てしまったかもしれない」


 云々。カクカクシカジカ四角いピ――(自主規制)。超つまらん。展開が分かってる分もっとつまらん。トロールを入れたのは実は俺なんだぜ☆ とか、スネイプの足が噛み切られちまえば良かったのにとか、イラっとくる部分があったけど我慢する。


「僕、あなたが森の中でスネイプと一緒にいるところを見た……」


 とまあハリーは呼び方を直そうとしないし、クィレルはクィレルでみぞの鏡を調べ始めてぞんざいな返事だ。つまり私放置の刑。


「ああ。スネイプは私に目をつけていて、私がどこまで知っているかを確かめようとしていた。初めからずっと私のことを疑っていた。私を脅そうとしたんだ。私にはヴォルデモート卿がついているというのに……それでも脅せると思っていたのだろうかね」


 そんなに鏡と見つめあっても何も出てこないだろーに。鏡に映る自分が好き、とかそういう趣味なんだったら止めないけどね☆


「『石』が見える……わが君にそれを差し出しているのが見える……でも一体石はどこだ?」


 ハリーは芋虫みたいにウネウネして、縄抜けができないことが分かったみたいだ。食いしん坊青虫……。

 セブがジェームズを憎んでるだのなんだのと勝手に話は進み、蚊帳の外のレイノちゃんは暇で暇でならない。はっきり言ってどうでも良いっていうか、興味がないというか。てか、私がここに連れてれた理由ってか質問があるんでしょーがさっさと言え。


「ねーねー、さっき私に何か聞こうとしてたでしょ。何が聞きたかったのさ?」

「見つけることの方が先だ、黙っていろ。ああ、この鍵はどういう仕掛けなんだ? どういう使い方をするんだ? わが君、助けて下さい!」


 失礼な奴。モテないぞ、レディーをそんな扱いしちゃ。――だから一人身なのかもしらんなぁ。


「その子を使うんだ……その子を使え……」

「スネイプ! こっちへ来て鏡の前に立つんだ!」


 ハリーだろ、ハリー。何で私に言うんだ。クィレルが縄をほどいて私を鏡の前にひっ立てた。『私は貴方の顔ではなく、貴女の心の望みを映す』――なるべくならこの鏡は見たくなかったんだけどねぇ。実現不可能な望みが映ったら泣いちゃうかもしれない。

 そして私は鏡を見て――笑った。







「その子を使え」に関して


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