「あいつもスネイプの仲間に決まってるさ! だってあいつはあの陰険教授の娘じゃないか」


 ロンが言ったのに曖昧に頷く。でも、もしかしたら……。


「もしかしたら、レイノは知らないかもしれないわ。自分の父親が犯罪者だなんて……だってそうでしょ? あのスネイプ教授が、溺愛してる娘にそんなボロを出すと思う?」


 そう言うとロンはうっと詰まった。スネイプ教授がレイノを溺愛してるのは誰が見ても明らかなのよ? 娘を犯罪に巻き込みたがるはずないじゃないの。

 入口から離れてまた石段に座りながら話し合った。ハリーは私に賛成みたいね。


「レイノはスリザリンにもったいないくらい良い子だよ。特急の中じゃ仲良くしてたのに、ロン、レイノがスリザリンに入れられたってだけでレイノも悪いって判断してる」


 レイノが聞いたら突っ込みどころ満載の台詞だ! とか言ったのかもしれない言葉だったけど、私はハリーがそう言ったのに頷いた。


「レイノはネビルを助けてくれたじゃない。それに寮の分け隔てなく平等に対応してるわ。陰口を叩かれるようなこと、レイノがしたことあった?」

「だ、だけど、あいつスネイプの授業じゃえこ贔屓されてるじゃないか。それにあいつ魔法薬の完成があり得ないくらい早いだろ? 絶対何かしてるに決まってるよ」

「えこ贔屓してるのはスネイプ教授の勝手よ。レイノが頼んでしたわけじゃないでしょ? それに私、レイノが作るのを観察したことあったけど、レイノは誰よりも手際良く作ってるのよ。それに、先に父親に一度や二度教えてもらっただけじゃあんなに早くできないわ。レイノは私たちの何倍も練習を重ねてるのよ!」


 私だって、どうしてあんなに早いのか謎に思ったことがあったわ。だから出来る限り目を離さないように観察したの。そしたらレイノは――手際が良いってどころじゃなかった。流れる動作って言えば良いのかしら? それこそ何十回も同じ薬を作ったからこその動きだった。一緒にペアを組んでるドラコ・マルフォイやアメリア・ビキンス、パンジー・パーキンソンに、作る際の注意までしてるのを微かに聞いて驚いたわ……。あれは授業前にスネイプ教授から課外授業を受けてたとかそんなレベルじゃない、入学前から何度も練習したに違いないわ。悔しいけど、あれが彼女の努力の結果なんだって思うと仲間意識すら芽生える……。


「そうだったの?!」

「そうなのよ。だから私たちはレイノの父親を犯罪者にしないためにも、何をしてでもスネイプ教授を止めなきゃいけないのよ」


 スネイプ教授が賢者の石を盗んだとばっちりでレイノがホグワーツを去ることになんかなったりしたら、私は最大のライバルを失うことになるんだもの。


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