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 ネズミを象牙製の嗅ぎたばこ入れに変えて、忘れ薬は店で売っても問題ないくらいに仕上げた。ほら、だってプロですから☆ 筆記試験をPだから席が近いパンジーの背中を見たり、実技試験で苦難の表情を浮かべるパンジーの顔を見たりしながら終えた。もうこれで試験はない――結果発表まで一週間の休みなのだ! 大広間でアメリアが淹れた紅茶を飲みながら、女だけでぺちゃくちゃと時間を過ごす。

 それにしてもさ、試験中に思ったんだけど、パンジーってば最近の子供らしく色恋話とかそういうのが大好きな割に勉強に対してすっごく真面目だよなぁ……やっぱり純血の出身だから悪い点は取れないって意地か? 親に言い含められてるんだろーか。純血の家系で、それもスリザリン寮だもん、悪い点でもとってみろ……恥さらしとかって罵られるのかもね。でも、それにしちゃアメリアが気楽そうだ。


「アメリアは気楽そうに試験受けてたけど、自信あるの?」

「ええ。だって入学前にパパが教えてくれた範囲だったもの。ちゃんと復習さえすれば問題なかったわ。でもレイノは私よりリラックスしてたみたいだけど?」

「パパが教えてくれたのかー、良いね、それ。私はアレだよ、一通り家にいた時勉強してきたからね。アメリアと同じよーに教科書読んだりして復習すれば足りたよ」


 二度目の学生生活だからね☆ つまり言うなれば、旅人算とかツルカメ算を高校三年生が解くような感じだから、分からない方がおかしいんだよ。だってもっと分かりやすい方法を知ってるんだからさ。


「貴女たちが呪われてしまえば良いのに……」


 一週間の試験で精魂尽き果てたパンジーが、テーブルに両肘を突きながら項垂れた。そりゃねぇ、努力努力でここまで頑張った自分の友達二人が、気楽にほんぼのと試験受けたんだから呪いたくもなるわな。ついでにドラコはお家で家庭教師とか付けてたのか、パンジーよりは気力と体力が残ってたみたい。試験が終わったと思ったら中庭に突進してた。


「今度勉強みようか?」

「そうね、お願いしようかしら――新学期に」


 私はハーマイオニーみたいに目立ちたいわけじゃないから、大人しく授業を受ける静かな子なんだよ? でも実技とかがあるとやっぱり目立つんだよねぇ――だって失敗なんてしたくないからつい真面目に呪文唱えちゃって、一回目で成功するんだもん。仕方ないよ。だからパンジーも私の成績は信頼してる……はずだ。






 さてさて、そろそろハリーが歪んだ笑顔のセブとご対面する頃かな? どうしよう、実は見たい。セブが笑顔を浮かべようとして失敗してるの、見たい。思い立ったら即実行、私ってば行動力溢れてる!


「そーだ、私セブに会いに行って来るよ。パンジーは無理っぽそうだけど、アメリアは来る?」


 面白いものが見れるよ。


「いえ、私はここにいるわ。暫く休んだら談話室に戻るつもりだから、帰るなら談話室にね。行ってらっしゃい」

「分かった。じゃあ行ってくるね」


 確かホールでミネルバばーちゃんに会って、直後にご対面だよね。間に合うかな。


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