自ら足を開いて、誘ってやる。こうすれば文句は言えないだろ。
悔しそうに俺の中に入ってくる舜一に、キスをしてやり黙らせる。
舜一は俺と玲人は見たくない。ということは、当然見られたくも無いよな。
揺さぶられながら、そんなことを考えていた。
「玲人は見たいんだってっ……俺が舜一に抱かれているのも、全部知っていたんだってさ。知らない俺がいるのは嫌なんだと」
そう言うと舜一は動きを止めて、俺を上から見つめた。汗に濡れた前髪をきあげてやれば、その手を掴まれた。
「玲人が見たいって?」
「そう。訳わかんないよな」
「……俺は分かるよ」
「何で?」
見たくないって言ったくせに何で玲人の気持ちが分かるんだ?
「俺も、お前といない間、お前が玲人をどんなふうに抱くかって、見たくないけど凄く気になる。俺の知らない恭介がいるのが堪らなく嫌だ。玲人とだけ共有している時間に、何をしているのか、俺のこと置き去りにしないか、そんなことばかり考えている。だからどんな恭介もずっと見ていたい」
「……玲人と同じようなこと言ってるな」
「恭介は一番最初のとき、お前の意思を無視したって怒ったけど……俺と玲人にとって、知らないお前がいるよりも3人でやるほうが自然だった。だってどんなお前も見ていられるから。玲人が恭介を抱くんだったら絶対に排除したけど、玲人はそれを望まなかったから、2人で恭介を共有しようって、何も考えずにそう思った」
「……今日はもう終わりだ。出てってくれ」
まだ途中だったが俺は舜一を追い出すことにした。
「恭介」
「お前たちの思いは、正直俺には重過ぎる……」
2人のことは大切に思っているが、俺はこの2人が他に恋人を作っても、この2人だけで過ごしていても全く気にはならない。
だがこいつらは、俺が他の人間と過ごす時間すら嫉妬する対象になるなんて。
「分ってる……でも、俺たちを締め出すことだけはしないでくれ」
ズルリと舜一は自分のものを抜きながら、俺に懇願する。
「締め出すことができるならとっくにしている……ちょっと俺にも考える時間をくれよ。お前ら一番最初のときも、問答無用で俺に考える時間すらくれなかっただろ」
「待つよ」
「なあ、玲人の精神不安定さはなんとなく分かったけど、お前の不機嫌さも、同じ理由だったわけ?」
それほど繊細な人間には思えなかったが。だが普段は能天気な人間にしか見えない玲人が、ああ、なので舜一もそうなのかと疑った。
玲人は自虐行為に走るし、舜一も自傷行為に走る。
手につけようがない幼馴染に思えた。
「そうかもしれない」