「おい、玲人。今日は俺の日なのに、何恭介襲ってんだ?」
「もう行かせるから。ほら、また月曜日会えるだろ?」
「うん……」
とぼとぼと力なく歩みを進め出て行く玲人の足取りは重かった。流石に少し心配になってくる。また変なことをしでかさないかと。
「あいつどうしたんだ?」
「……精神的に不安定みたいだ……どうしたものかな?」
舜一も玲人の様子に不可解さを感じたのだろう。
ベッドに腰をかけ、足を組んで玲人のことを考える。俺の考えるときの癖だ。少し濡れた髪をかき上げながら、目の前の男以外のことに頭を悩ませていた。
それが舜一の気に触ったのだろう。組んでいたままの体勢で肩を押され、ベッドに転がった。
「今日は俺の日なんだから、俺だけのこと考えてくれ」
「ああ悪かった。お前のことだけの集中するよ」
そう言って笑ってやれば、それはそれで気に入らないのか、ふて腐れた子どものように顔を背け、俺の首に顔を埋めた。
そしてバスローブを脱がせながら、体中にいたるところにキスをしてくる。
正直俺は玲人と舜一とどっちとセックスするのが、楽かと聞かれれば舜一とだ。舜一とのセックスが【好き】なのではなく【楽】なのである。
玲人との時は俺が抱くほうなので、俺が玲人に気を使って、傷つかないように慎重にしなければならない。
その点、舜一とは立場が逆転するので、俺は気を使わなくてもいい。舜一に散々注文をつけて、ああしろこうしろと言うのはこっちだ。
自分からやることは少ないので、精神的には色々と楽だ。身体は楽だとは言わないけれど。尻に突っ込まれて精神的に楽なのか?と、自分で突っ込みを入れたくもなるけれど、合意の上なら問題はない。俺の意思を無視されて無理強いされるのが嫌なのだ。
いつもは生意気で傲慢な舜一が頑張って、俺を気持ち良くしようとしているのを見るのも、なかなか楽しいし。
絶対に痛くするなと言ってあるから、違和感は半端ないが、耐えられないほどの痛みがあるわけでもない。
上手く使えば、舜一は俺の言うことを聞くからな。まあ、いつも何らかのエサが必要で、今回のエサは俺自身のようだ。
俺って猛獣使いに慣れるんじゃないかと、自画自賛したりもした。
「うっ……あっ」
髪を振り乱して、俺は舜一の最後を受け止める。外に出せって言うんだが、こればかりは中々言うとおりにしない。男の本能なのか、どうしてもマーキングしたいようだ。
俺は舜一の腹を足で蹴ると、あいつの性器を抜かせた。
舜一は俺の横に横たわって俺を見ている。そして俺を舜一のほうに向かせると、俺の両足に足を差し入れて、後ろから回した手で、尻の穴を弄ってくる。
自分が出した精液を穴に塗りつけるように。
正直俺は、舜一のものよりも指のようが感じる。舜一のはでか過ぎて、俺の身体には負担が大きい。慣れてくれば、また違うのかもしれないが。
「はっ、またする?」
お互い密着しているので舜一の状態は手に取るようにわかる。
「お前をいかせたら、する」
指でしかいかないことを悔しく思っているんだろう。
正直こんな性行為など間抜けにしか見えないだろう。見ても面白いとは思えない。
「お前さあ……俺と玲人のセックス見たい?」
「何だよ、突然」
「俺と玲人がキスして、俺が玲人のフェラしてやって、突っ込むのみたい?」
「見たいわけ無いだろ!」
「だよなあ」
でも玲人は見たいと。
「ちょっと待てよ!恭介……おまえ、あいつにフェラしてやってるのか?」
「え?た、たまにな」
しまった。舜一にはやってやっていないから。
「俺にしてくれたことなんてないじゃないか!やってくれって頼んでも嫌だって言うくせに、何で玲人だけ」
「だって、玲人をいかせないといけないほうだしな。俺……お前は、尻でいかせてやったんだから良いじゃないか。お前のはデカイし、口に入らないから。顎が外れそうで 心配なんだ」
「そんなの差別だ!」
差別じゃなくて区別なんだが。ああ、うっとうしい。
「今度舐めてやるから。今日はこっちにしとけ」