12
「逃げようとしたな!」

治療は終わっているようだが、流血した後なのに元気が良すぎるようだ。

「違う、違う。ゴムとかローションとかを俺の部屋から持ってこようとしただけ」

「玲人と使った残りか?」

忌々しそうにはき捨てる舜一。

「そうだけど……」

嫉妬かよ。いまさら嫉妬も何も、一番初めにお前が俺のペニスを玲人の中にいれたんだぞ。お前に犯されながら。

何でいまさら嫉妬すんのか意味不明。


「あのさ。今から嫉妬していられても困るんだけど。お前が玲人と平等にして欲しいって言うから、今からお前に抱かれるんだぞ?お前、俺を抱くのと同じだけ、俺も玲人を抱くことになるって分かってるのか?」

「分かっているけど……嫌だ」

「ちゃんと独占するのは無理だって分かっていてくれないと、俺も困るんだけどな。あとから文句言われてもな……」

「分かってる……」

ものすごく、ものすごく仕方なさそうに、分かっていると返事をする舜一に、これから相当苦労しそうだとため息をつく。

なんか今からって、玲人の時でも思ったけど、自分の意思じゃあ絶対役に立たないから、今回は抱かれるほうでよかったけど。

血みどろの舜一を見た後で役に立たないだろう。俺は結構デリケートで、そもそも男相手に欲情しない。

「じゃあ、持ってくるから」

「ジェルくらい俺も持っている!……わざわざ取りにいく必要はねえよ」

なんで?逃げ出すとまだ心配しているのか?

反論するのも面倒なので自分で舜一の寝室に向かった。

追ってくるのを見ながら、全裸になっていく。男が恥ずかしがるのもなんだしな。脱がして貰うのなんかもっとごめんだ。

「俺が脱がしたかった……」

「いや、もうやれれば何でも良いだろ?俺正直眠いし、早くやって寝よう」

情緒も何もないが、今はもう真夜中だ。寝ているところを起こされたので、今日の睡眠不足は深刻になりそう。

ベッドにうつ伏せになって、枕を引きよせ腹にしく。まさにやるためだけの体勢になってみた。

「何なんだよ!その、入れて終わってはい寝ようみたいなのは!俺と恭介だけの記念すべき初夜だっていうのに!キスだってしたいし、愛撫もたくさんして、2人でドロドロに溶け合うようなセックスがしたいのに!」

「お前結構乙女思考だな……」

こんな夜遅くにそんな面倒なことはしたくないんだが。せめて明日が休みのときに言って欲しかった。

「いいか?俺は眠い。明日も学校だ。なのに、お前のせいで睡眠時間が壊滅的だ。30分以内で済ませるか、また今度のどちらかにしろ」

「くそ!30分以内で済ませればいいんだろ?」

舜一は俺を仰向けにすると、キスから始めた。俺の言うように30分以内で済ませようと、黙々と俺の中に入れる準備をしていた。

「次は、ドロドロになるまで何時間もする」

拗ねた様に、俺に宣言されても。まあ、そこがこいつらの可愛いところでもあるけど。
俺の脚をぐっと開いて入ってこようとするのに、あることに気がついた。

「お前、ゴムは?」

「ゴムは、用意してない……」

「そのくらいマナーだろ!俺は玲人との時つける」

「玲人とのことは言うなよ!聞きたくない!なあ、いまさらゴムつけろっていわれたってないものは無理だし。中に出さないように気をつけるから、このままさせてくれよ」

だから、俺は自分の部屋から取って来るって言ったのに。使いかけは嫌だって変な意地を張るから。

「はあ……まあ、仕方がないのか?来いよ。絶対に中で出すなよ?」



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