4(完結)
いつものように委員長の相手をした後、委員長に切り出してみた。
「マリモの退学の証拠をつかもうと思って、あの薬のルートを探ってみたんだ?で、誰が黒幕だったと思う?」
「俺?」
ここまで簡単に認めるとは思わなかった。
「会長が調べたなら、とぼけても無駄だろ?正直、突き止められるとは思っていなかったけど。流石、色々と優秀だよな」
この色々優秀の中には、俺の下半身のことも入っている。今まで見せたことのない、いやらしい笑みを浮かべていた。
マリモの薬の入手先の、先の先を洗っていって、ようやく浮上したのが委員長だった。俺じゃなければ確かにここまで調べられなかっただろう。
「何であんな薬マリモに渡して自分で飲むんだ?何がしたかったのか、俺には正直理解できない」
「何でって?簡単なことだ……会長、俺はお前を抱きたかった。ただそれだけだ。俺が会長の代りにあの薬を飲んだってことになれば、責任感の強い会長様はきっと俺の相手をしてくれるだろうって」
「なら、何でそう言わない!お前は俺にそんなこと一言だって言ったことなかっただろ!?」
「言ったら、抱かせてくれたか?俺は、会長に恋焦がれて、愛しています。抱かせて下さいって言えば、そうしてくれたか?」
男に興味のない俺は、当然断っただろう。俺はこの学園で誰の求愛に誰も答えたことはなかった。
「無理だ…」
「だろ?だから、卑怯な手を使った。わざわざ卑怯で卑劣な男だって罵らなくたって、俺が一番分かってるから、言う必要ないぜ。でも、全然悪いと思っていない。俺は欲しい者は、どんな手を使ってでも手に入れる」
「だったら、俺も無駄に喚いたりしないさ。騙される方が馬鹿だって思うからな。思い出作りでもできて良かったか?」
「思い出作りなんかで終わらないさ……知ってるか?あの薬がどうしてあんなに高価なのか?あれ実は使ったやつよりも、使ったやつの体液受け入れる方が依存症になるんだよ。つまり、依存症になっていたのは俺じゃなくて、実は会長の方ってわけ……高いだけの価値はある薬だよな。ああ、安心しろよちゃんと抱いてやれば、体に害はないから」
俺自身依存症になったなんか自覚は全くない。定期的に委員長の相手をしていたから、そう実感する期間なんかなかった。
だが、こいつが嘘を言ってないことくらいは分かる。無駄な嘘はつかない男だ。言っていることは真実だろう。
「言っておくが他の男じゃあ、無駄だよ。会長の身体静めてやれるやつは、この世に俺1人だけってわけだ」
俺はこの世で一番汚いものを見るかのように睨みつけた。
「はっ!身体だけ抱いて何が面白いのか、俺には分かんねえよ。空しいだけだろ」
そして嘲笑ってやった。
「今は身体だけかもしれないが、俺は欲しい物は手に入れる男だって言っただろ?お前の心だって絶対に手に入れて見せる」
そう暗く笑った男の狂気じみた目を見て、その日がそれほど遠くないのかもしれないと、俺は戦慄した。
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