「銀時、さむい」

今日はそろそろ春も近づいて冬用の布団が暑くなったから、ちょっと早いけどもっと薄手の布団に取り替えたんだ。
急な変化に慣れなくて、今あたしは銀時の布団の前に立っている。もしかしたらそんなのはただの理由付けで、銀時の傍に行きたかっただけなのかもしれない。冷え切ったつま先を睨む。しかし、この夜中に足元なんてよく見えちゃいない。微かに視界の端に映る銀髪は酷く浮いて見える。触れたい、触れられたい。

「ん〜、入りなさい」
「・・いいの?」

もぞもぞと人一人分位のスペースを空けられた布団。思わず聞き返す、だって押入れから毛布出してそれ掛けなさいとか言われると思ってたから。無性に嬉しくて、急いで銀時の布団に潜り込むと銀時のぬくもりがいっぱいに広がって温かかった。すると背中に銀時の逞しい腕が回ってきた、そのまま体を密着させられるように抱きしめられる。びっくりして、銀時の顔をみるともう大分眠いようで目は閉じている。そっと腕を伸ばして、銀時の大きな背中にしがみつく。ちょっと息がしづらいけど、とっても暖かくて、とっても幸せだった。



月明かりの晩


100411
改め 100416
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