目を覚ますと白い無機質な天井が見えた。気絶していたにも関わらず頭はすっきりと晴れており、こうなる前の出来事をハッキリと覚えている。目の裏に炎の赤が揺れている程だ。
隣には総悟や、隊士たちが眠っており、更に奥にはチャイナ娘と眼鏡の坊主が横たわっていた。見たところ、どいつも軽傷で済んだようだ。
しかし、爆発の最も近くに居た、高杉と銀時の姿だけは見当たらない。
「トシ、目ぇ覚めたみたいだな。」
起き上がったところで声が掛かった。見ると、近藤が病室のドアの前に立っている。
「近藤さん!…すまねェ。爆弾を一つ処理し損ねた上、高杉を捕えられなかった…。」
近藤が苦笑する。
「いや、お前は良くやったよ。結果、ターミナルも江戸も無事だった。それに、最後の爆弾は見つからなくて当然さ。全て終わった後高杉が自害する為に隠し持っていたものらしいからな。…それが何らかの衝撃で暴発したようだ。」
自害。その言葉にサァと血の気が引く。
「っ…じゃあ、あいつらは…!」
近藤が遣る瀬無いといった様子で俯く。
「ああ。撤去した瓦礫の下からも、ついに奴らの身体を見つけることは出来なかったらしい。至近距離で爆発したんだ。もう、望みは…っ」
「そ、んな…。」
土方はギリと歯を食いしばった。

カタ
ややあって近藤がベッド脇のイスに座る。
「…聞いたよ。銀時がお前に言ったっていう言葉。」
「……ああ。」
彼らの哀しすぎる笑みが頭から離れない。
ゴゴゴと音を立てながら身体の内部から風が沸き起こる。
奴らの想いを、無駄になんかさせねェ。
同時にそんな考えが頭をもたげた。
「近藤さん、」
アンタなら、賛同してくれるだろう。
土方は語り出した。






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