【寒天問屋】


松葉屋



「松葉屋はんだす!」善次郎はがっくりと首を落とした。

「んなアホな。腰痛のお見舞いくれはったりしたやろ」
「……旦さんとわてが、お咲さんのことそういう目で見てたのがバレましたんや」

「ああ」和助は天井を見て鼻の下を伸ばした。「長いこと潤いのない生活してきたからなあ。つい。でも、どっからバレた?」

「――潤いて、お里はんが居るやないだすか!」
「そっからか。しゃあないなあ」

「よし、話つけてくる」と和助は松葉屋の処へ行ってしまった。番頭はハラハラとして一昼夜待っていたが、その日主人は戻らなかった。


旦さんの頼り甲斐アップ↑
井川屋の売上ダウン↓
女衆の信頼度ダウン↓


 





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