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2024/07/28 

 被弾したルフレの黒い手袋の端から見える指輪に、セネリオが気づいたのはいつのことだっただろう。伝承ルフレと呼ばれる彼はピンチヒッターの役割を果たしていたが、その実どのルフレよりも強かった。
 聖王から賜れた参謀衣装のルフレは英雄ルフレと略されていたが、彼は「英雄は皆に当てはまる言葉だ。それに僕より強いルフレはおそらく異界を探せば大勢いるよ」と言っていた。そのうちの一人がおそらく彼なのだろう。
 ギムレーの器と成り果て闇に堕ちた過去のルフレ自身と、最期まで闘ったルフレをそう呼ぶらしいと聞いていた。最期というからには死んでいるのだろうか。紋章士と呼ばれている彼らの概念的存在は死んでいる可能性が高い、とマルスが言っていた。紋章士のマルス本人が周囲の反応を気にも止めず、「ここでは生きてるのと変わらないぐらい食べ物も同じ味がするし、不便はないからいいよ」と笑うので、対応に困るほどだった。
「紋章士と同じで、あなたも現実では死んでいるのですか」
 伝承衣装のルフレにそれを聞いたとき、セネリオは(聞きたいことはそれじゃない……)と思った。指輪だ。『ルフレ』という存在に指輪を見たのは、彼がはじめてだった。
 一緒に出陣していたマークが「な、なんてことを聞くんですか!」と慌ててルフレを振り返る。「でも母さん、僕もそれは聞きたかったです」

 いや、聞きたいのは指輪だ。破れた手袋から見える、左手の。

「それよりマーク、どうして僕にも敬語なんだい? ちょっと気になっていたんだ」
「母さんは僕の母さんですけど、母さんではないからです。性別も違いますし」
「だったら母さん呼びをなんとかしてほしいけどね……」ルフレは傷ついた甲冑を重たそうに持ち上げて、頬を掻いた。「『父さん』呼びではいけないの?」
「はい。父さんは父さんですから!」
 三人で振り返った先では、「闇より出でし大地の力、大いなる災厄を持って天空の流星が如く我が聖杯を指し示せ!」と謎の詠唱で魔道書を振り回すオーディンがいた。三人で顔を見合わせため息を吐く。
「君のお父さんはウードだと聞いてるけど。彼は確かにウードと瓜二つだけど、どうなっているのかな」
「母さんは気にしなくていいことです。ただ同じ存在なのでややこしいことに、父さんの子供や奥さんはルフレの倍近くいると言われています。妬けますか?」
「や、妬け……? いや、君のご両親には悪いけど、どういう経緯でお互い結婚まで至ったのか、謎過ぎるよ」
「それは心外ですね、ルフレさん!」最後の敵を倒したオーディンが、バッと振り返って言った。「俺とあなたなら相性抜群ですよ。だいたい異世界に渡った俺が、魔道士を目指したのだって俺の母さんとルフレさんの影響ですからね」
「リズと僕の――ウード。いや、ごめん、オーディン。君が言ってるのはおそらく魔道の詠唱であって、君がよく創作しているそれとは全く別種の……」
「ふっふっふ。詠唱も独自に書き換えていますからね。俺のは今や必要不可欠な俺だけの呪文なんです。よければルフレさんやセネリオさんにも教えてあげますよ!」
「結構です」聞きたいのは指輪だ、とセネリオは心の奥で繰り返した。「僕はおふたりと違って、基本的に詠唱なしで魔道を習得しましたので」
「そうなのかい? でも君は確かに、ほとんど詠唱しているところを見たことがないな」
 伝承のルフレはセネリオという存在にそもそも会ったことが数回しかないため、彼の生い立ちも知らない。セネリオは伝統衣装を着こんだ自分の姿を見下ろした。できれば彼には過去を知られたくない。話さないままでも問題ないだろう。
 しかし自分は彼の過去を知りたいのだった。聞き出し方に迷っていると、マークにそろそろゲートから帰ろうと促される。異界の親善試合や鍛練の試合と違って戦場ではあったが、ノルマはあっさりとこなしていた。それだけ伝承のルフレは強い。レギュラーにならずとも成長し続けているほどに。
「母さん、指輪してましたね」こっそり耳打ちされて、セネリオはマークを凝視した。「後でうまく聞き出しときますよ」
「――なんのことですか」
「大丈夫です。彼は何度この世界で出会っても、僕になんにも言ってこないので。だいたい相手は読めていますから」
「それは……」
「ええ。おそらく」マークはルキナを追ってきた性別違いのルフレの息子だった。「気にしないでください。よくあるんです。母さんと相手がかぶるのは。……ただ」
 父さんとかぶる場合は、生かしておきません――とオーディンを振り返る。なにも知らずに「ルフレさんと俺がねぇ! いやあ、嬉しいなあ。つきあっちゃいます?」「何を言ってるんだ。君、奥さんいるってこの間言ってただろ!」と馬鹿話をしている男二人を見ながら、マークは暗い顔で嗤った。
「……あなたは間違いなく、あの人の子供ですね。油断ならないところが」
「そうですか? 嬉しいです。母さんを越える軍師になって、ルキナさんを射止めるのが僕の最大の目標ですから!」



 拠点に戻ると森林の開けたところで、エクラが神器を使ってカードから英雄たちを喚び出しているところだった。次々と現れては「ごめん、またの機会に……あれ、君はこの間……まあいいや、とりあえずお帰り……うーん。お目当てが出ない」と嘆いている。いつものことなので放っておこうと四人で通りすぎると、呼び止められた。
「次の英雄戦で対戦相手と闘ってくれる英雄を引こうとしてるんだけど、カードが尽きてしまったんだよ。召還の条件もただではできないし、アンナ隊長は金勘定――もとい皆の食料調達で資金がいるから、これ以上ズルはできないって言うんだ。召還カードは魔道書と同じようなもので絶対必要だし使い捨てだから、君たちの誰かにレギュラーになってもらうほうが手っ取り早いかなーと俺は思ってるんだけど」
 オーディンが真っ先に「同胞よ。優秀な俺を欲する気持ちは痛いほどわかるが、陰の者の血を引く俺には為さねばならない使命がある」と顔に手を翳して言いきった。
 エクラが「うん。それは前にも聞いたし、残ってほしい候補に君は入ってない」と言うと、自分から断ったにも関わらずオーディンは明らかに肩を落とした。
「僕はここではお役に立てませんので。できれば二度と採用しないでいただきたい」
 セネリオがきっぱりと断ると、マークが「僕はそりゃこの地にいたい理由ができましたけど……もともと星五なので、異界を巡る旅をしなくともこの世界のエクラさんにだけお会いすることは可能です。新しい英雄に賭けてみてはいかがですか」と言った。
 はじめて聞く話にセネリオは首を傾げた。ルフレも同じ疑問を持ったようで、「星――とはなんだい? そういえば誰かが話していたけど」と言った。
「もともと持っている個人のバッジのようなものですね。僕らには見えませんが、エクラさんにはわかるらしいです」
「うん。五つ星は基本的に同じ世界にしか行けないらしいね。それに……」エクラは天を仰いで、言っても大丈夫かなあと言った。「存在の固定と言って、星五を引いたそこから先は何度違う星を引いても、概念的には同じ人間しか来ないと聞いたことがある。まあ俺は二人目の君たちを引いた場合、悪いけど能力だけ継承してもらって全員送り還しているから」
「待ってください。僕たちということは、ここにいる全員星五つということですか?」
 セネリオの言葉にエクラがうなずく。マークが引き継いで言った。
「元の世界に還った君たちは、夢のようにこちらでの生活を忘れてしまうだろう? しかし喚び戻されたときは同じ世界のはずだ。君たちにとっての召還士であるエクラは俺だし、名前も性別も性格も、記憶まで共有している」
「――じゃあ、星が違うからときどき同じはずの人物と会話が成り立たないのか」ルフレが腕を組むと、甲冑が重い音を立てた。「しかし妙だな。英雄衣装の僕と会話したとき、星の数なんて何も説明されなかったよ。なぜ黙っていたのだろう」
「伝統衣装のセネリオと君の場合は、星三で召還されたけど、俺が最初の段階で課金という小細工をして増やしたからだね。君たちはすっごく強いからさ!」
「僕は本来、星五だったせいで同じ場所から動けなかったんです」マークが後を引き継いだ。「それを別世界のエクラさん……名前も性別も違いましたが、彼女に無理をいってランクを落としてもらいました。こちらの世界のレギュラーの枠は余っていなかったので、星五で固定をお願いしたんです」
「あれ、お願いっていうのかな。脅されたんだけど……」とエクラがマークを覗き見ると、小悪魔はうふふと笑った。
「では」セネリオは隣に立つ自分より背の高いルフレを見上げた。「僕が以前出会った伝承衣装のルフレはあなたで、これから先も同じということですか」
 エクラが遮り、そういうことになるねぇと言った。「あ! セネリオ、また来てくれる気があるの? ということはレギュラーになってもいいって思ってくれてるってこと!」
「違います。確認をしただけです」
 指輪の存在が気になるだけだ。何度か顔を合わせて、話をしてきた相手の素性を知ることが。異界での偵察が、己の世界のアイクの役に立つかもしれないから。断じてそれだけだ。
 セネリオは自分の様子に気づかず、スカウトを始めるエクラにうんざりした。ルフレが助け船を出そうと口を開いたとき、遠くから手を振る人物の存在に気づいてマークが声をあげた。「あ、ルキナさん!」
 ルフレの表情が固まったのを、セネリオは見逃さなかった。やはり……と思うと同時に、顔を背ける。指輪をしているほうの手を隠すのも見えて、感情が揺れ動いた。

 ――どうしてこんなに、自分が動揺しているのだろう。彼の相手は、元の世界にいるだろうに。

「おかえりなさい、マークさん」にっこり微笑んで、ルキナは駆け寄ってきた。「すみません。実はそちらのセネリオさんにお話があって……この間お話できなかったので、後で時間をつくっていただけませんか? 私は魔道が苦手なので、力加減ができず皆さんにご迷惑をおかけしているんです。英雄衣装のセネリオさんにご相談したら、あなたが適任だろうと」
 アンナからカードを買ってエクラに新しい英雄を召還してもらい、自分はすぐに還るつもりだったのだ。伝統衣装のセネリオも何度か召還されるうちに順調に育ってきていたため、英雄の枠を開けたまま還ろうとすると拒絶されることが多くなっている。
「――」
 黙りこんでいるセネリオに、「もちろん授業料はお支払致します! 私もこちらで出稼ぎに出ていますし、多少の蓄えはありますので」とルキナが慌てる。
 出稼ぎとは他の異界に足を運んで、他者の世界を手伝うことだった。確かにルキナは魔法全般の攻撃に弱く、自分で使おうとするとよく壁を破壊している。他の自分たちでは知識のレベル差が開きすぎて、あまり意味がないのだろう。
 加えてこの地に腰をおろす気のないセネリオにとっては、充分な仕事をしていないぶん、暇だけは豊富にあるのだった。しかし。
「僕はあなたのお役には立てません。別次元の僕がなんと言ったか知りませんが、これで失礼します」
 セネリオはすぐに世界を去ることは諦めて、きびすを返した。



 客間をノックする音が聞こえたのは、夜遅くだった。セネリオは寝巻きに着替えていたため、「どなたですか」と硬い声を出した。
「すまない、セネリオ。昼のルフレだ」と声がする。あの見るからに重たくて暑苦しそうな姿を想像して扉を開けたが、ルフレも似たような格好でさっぱりとしていた。「……寝ているかもしれないと思ったんだが」
「――そうしようと思っていたところです。明日の朝、すぐに還りますので」
「ルキナの頼みを、聞いてあげられないだろうか」
「……」
 入ってください、と中に招いた。ルフレの手は手袋を嵌めていて、もうそこに隠された秘密について聞き出すつもりは、セネリオにもなかった。
 聞いてどうする。指輪の相手はルキナなのかと。この世界だけではない、これから先も何人ものルキナや他の女性が訪れて、そのうちの誰かはルフレの相手なのだろう。
 セネリオの感情をすべて持っていってしまうルフレも、違う彼だった。そしてその相手は、別の次元の自分だ。自分はマークのようには寛容ではいられない。アイクの結婚相手が誰であっても、参謀としての自分の立場はおそらく確保されている。
 唯一無二の場所に還るのだ。アイクの隣が自分の居場所だ。
「どうしてそこまで、親身になろうとするのですか。あなたもレギュラーは断るつもりなのでしょう」
「――息子のマークが、ルキナを愛しているからだ」
 明確に意志を示されて、強い瞳に一瞬心を持っていかれる。左手を思わず見ると、苦笑して「やっぱり君にも、ばれちゃってたか」と手袋をはずした。
 しかし指輪は嵌めていなかった。どうして……と驚きを持って見上げるセネリオに、ルフレは微笑んだ。
「セネリオ。僕は僕という存在の中では、かなり特殊だ。闇に呑み込まれた自分という存在と闘って、一度消えてしまった『ルフレ』の伝承だから」
「……どういう意味ですか」
 ルフレは間を置いて、そっと続けた。
「僕は昔、僕自身を殺して世界を救うか、クロムに殺してもらって次世代へ闇を引き継ぐかの選択をした。そこまで人生を進めて継承された者は、この世界には存在しない。だから英雄衣装の僕よりも、僕ははじめから強かった。おそらく年齢も少しだけ上のはずだ。……まあ僕という存在は誰もはっきりとした記憶を元から持っていないから、正確なことはわからないけれど」
「――」
「直接争ったことはないが、闇に心を預けているギムレーよりもおそらく強いと思う。僕は僕の世界で、愛するひとを見つけて……契りを交わした」ルフレは少し下を向いて、指輪をしていた手を見つめた。「娘のマークが生まれて、抱き上げるより前に大人になった彼女が現れた。とても嬉しかったよ」
「娘……ですか」
「うん。だいたい出逢うときは性別が違うんだ。ただ、僕は以前、自分の娘であったマークにもこの世界で出会ったことがある。彼女にとっての『父さん』は僕だったけど、『母さん』はルキナではなかった」
 その名前をはっきりとルフレの口から聞くと、なぜかセネリオの胸はずきりと痛んだ。行き場をなくしたやり場のない気持ちを、どこに持っていけばいいのかわからない。
 指輪はルキナのものだった。目の前のルフレの愛した人がそうだっただけだ。繰り返す声に、(なぜ自分はこだわっているのだろう)と考える。自分が心惹かれた人は、伝承のルフレではない。同じ顔と、同じ声をしているだけだ。
「何が言いたいのですか」
「――僕は元の世界でも、ルキナには二度と会えていないんだ」外から漏れ聞こえる自然のさざめき以外は静かな室内で、ルフレの声はよく響いた。「ギムレーを倒し、存在が消えてからクロムの元に戻った記憶はある。しかしそこにルキナとマークはいなかった」
「――」
「クロムいわく、僕が死んだ後は二人の処遇について引き止められないほど揉めたらしい。もともとルキナはクロムとそっくりだったから、血縁関係を疑うものが居たんだ。実の娘だから、当たり前なんだけど……そのうえ、クロムが自分の娘をルキナと名付けたせいで、事はややこしくなった。自分の命を救ってくれた彼女に報いるためだと言うけれど、マークも実は隠し子なんじゃないかと噂が立って」
「くだらない相続争いですね。平民や忠臣も平和になった途端に、これまでの恩義も忘れて権力者をネタに、言いたい放題するものです」
「……僕は戻るのが一足遅かったんだ。でも方法はあると思っていた。今日までは」
「それは……」
「ルキナとマークはもともと時空を越えた存在だったから、異世界で旅をしている可能性が高かった。そしてギムレーを倒した後の僕には、時空を越えることもある程度は可能だったんだ」
「――」
「どこまでも探し続けられると、最初は思っていた。この世界にいるマークと同じだね。でも」
「存在を固定されたあなただから、諦めると言うんですか」セネリオは自分の声だとは思えないほど、震えている喉を押さえた。「僕なら……自分の決めた、その人を諦めたりはしない。どの世界にあっても。あなただって、この世界にルキナはいくらでも……」
 マークという存在を無視してまで、それができるのだろうか。別の次元の自分の相手は、彼が求めて同じ時間を生きたその人ではないというのに。セネリオには、もうルフレがどんな表情をしているか見る勇気はなかった。
「――なんて顔をしているんだい」
「……っ、」
「聞いてくれてありがとう。話は以上だ。君に、なぜだか聞いてもらいたくって」
 おやすみ、と部屋を出ていこうとする背中にすがりつく。「……え?」と振り返った襟ぐりを引き掴み、それ以上喋らせなかった。
 沈黙が漂う室内で、呆然としたルフレの姿を認識すると、自分の愚かな行いにセネリオ自身も口を開いたままだった。
「どちらもできないと言うなら――」セネリオは混乱したまま、言葉を絞り出した。「相手を変えればいいでしょう。誰かの代わりでいいという者もいます」
 ルフレは状況が理解できないといった風に、目を丸くしているだけだった。「僕を君のいうアイクの代わりにしたいということかい……? でも君の世界には……」
 背中に手を回してきつく抱き締めると、もうそれ以上には言い訳もできそうになかった。セネリオは痺れるように全身を駆け巡るものに名前をつけられず、「違います」と声を絞り出した。
「あなたが代わりを欲していると言うなら、僕がこの世界に留まると言っているんです」
「――」
「あなたが、いらないと言うまで……」
 傍にいますから、と続けるはずだった。自分が口づけたときは冷たかったその唇が、頬を伝う自分の涙に寄せられる。その熱さに身じろぐと、引き寄せられたセネリオのか細い肉体は一瞬、宙に浮いた。

 どうして、彼なのだろう。
 自分の求めてやまない人が、彼であると知っていたのだろう。

「枠はひとつきりだから、マークにお願いしたんだ。君をアイクの元に還さないといけない」
「僕も次の英雄が来るまで、あなたのルキナを鍛え上げなければいけませんから。お互い様ですよ」
 額をつき合わせていると、この世のすべてを背負ったかのような悲壮感はルフレから消えていた。
「指輪はしておいてください。あなたを構成しているものだから」
「――セネリオ。僕は君を誰の代わりにするつもりもないよ」
「僕には代わりが必要です」嘘を承知でいった。「僕の神器の炎は、蒼の英雄を模した色だ。僕の魂はアイクの元に。あなたの魂はルキナの元にあるのだから」
 それを裏切りという者がいるなら、言わせておけばいい。セネリオは閉じた世界の端にいるのをやめて、真ん中に立つことを決めた。



「次も必ず、出逢うときは僕とあなただ。それでいいですね」
「……いや、よくないな。元の世界に還れば君のアイクがいるだろう。アイクでなければ、誰なんだい? 僕はいったい君にとって誰の」






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