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ワトソンは自分のズッキーニをホームズの妹にズッキーニさせる手はずを整えた。
下手な表現は騒ぎに疲れている証拠だろう。エイミーが自分のために、服を脱いで待ってくれているというのに。
ワトソンは作家としての自分の能力には絶大なる自信を持っていたため、脳内の相棒の冷ややかな批評は努めて無視した。
なぜこんなときにもしゃしゃり出てくるのだ。
横顔がこちらを向いた。怖い顔をしていた。頭は禿げていた。肌はざらざらだった。撫でた尻だけきれいだった。むしろそこだけだった。火掻き棒を味わう姿も珍妙だった。前歯がないので痛くなかった。鼻が突き刺さりそうだった。
青白い顔が歪み、出したときだけ、んっ。といった。
注射針をさしたあとの様子に似ていた。満足そうに見えた。まぼろしは静かに消え去った。
「用意できたの? 先生」
「うむ。オペの準備は済んだ。手術をはじめよう」
エイミーは振り返った。下を見る。上を見る。「駄目よ。ほかの人のことを考えているから」
ワトソンは目をそらした。
「男はね。男っていうのはね、ものすごくデリケートなものなのだ。そりゃあ一日中、恋する相手のことだけ見て、発情できるなら私だってそうするがね。エイミー……」
「聞きなさい豚」
「もっと言って」ワトソンはキャンキャン吠えた。「好きなんだ。君が欲しい。婚前交渉に警戒心があるなら一からやり直そう。君のためなら死体や署名入りの謎をもう一度用意するくらいわけないことだ!」
ワトソン夫人を得るための影の努力だった。だがは下は萎えた。
エイミーは真剣にいった。「ワトソン博士。あなたどこまで馬鹿を装うつもりなの」
ワトソンはため息をついた。
「……聡い子だね。服を着ようか」
「このままでもいいわ。女は一度脱ぐと面倒なの」
「ホームズに半殺しにされるのが目に見えてる。事後なら開き直るが途中でバリツはくらいたくない」
「左ストレートよ。彼は気の毒なヴィクターをなぐって一度は再起不能にさせたの」エイミーは笑った。「忘れてたわ。どうしてかしら……」
ワトソンは彼女の体にシーツをかぶせた。エイミーは呆然とした。
「私。どうして。この間から泣いてばかり。ほとんど泣いたこと……なんて……ッ」
「大丈夫。誰にも言わないから」
「本当よ。先生、本当なんだから!」
ワトソンはぎゅっと彼女を抱きしめた。エイミーはワトソンにしがみついた。「本当なの……」
ワトソンは静かに彼女の頭を撫でた。
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