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 ホームズに妹がいると知ったのはワトソンが二回目の結婚を考えているときだった。正確にはまだ結婚していたのだが。

「どうして今まで黙っていたんだ!」

「可愛い妹を賭け事好きの医者崩れの小太り小男から守りたくて」ホームズの言い分は簡潔だった。

「小太りは余計だ。小男ではない。中背だ」

「すまない。聞かなかったことにして執筆に戻ってくれないか」

 そういうわけにはいかない。ワトソンは急いで支度を始めた。ホームズは新聞を眺めるふりをして、ちらちらとワトソンを見た。

「何をしているんだね」

「会いにいくのだ。君の妹なら容姿はそこそこかもしれないが、きっと頭もよいから私と気が合う」

「なぜ気が合うんだ? ……待て。その先はよせ」

 ボウタイをキュッと縛った。「私も頭がいいからだ!」

「冗談ではない」ホームズの目は殺気に満ちていた。「年の差を考えてくれ。妹はまだ若いんだ。あと腹の下からはみ出ている気持ち悪い逸物をしまってくれ」

 ワトソンは慌てて聖なる汚物をしまいポンポンと二回叩いた。

「まだ出てくるのが早いよ、僕の火掻き棒ちゃん」



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