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 兄が四方八方手を尽くして調べあげたところ、メグの勘は当たった。

 かわいそうなレストレード警部のキャリアもおしまいだった。ホームズのそれとは比較できない。人生の伴侶も彼を見捨ててワトソン夫人と旅行にでかけた。ヨーロッパ各地を巡るつもりらしい。静養という名の三下り半だ。事実上の別れだった。

「うむ。レストレードもついでに助けて、恩を売るのが得策だな」

 ホームズはろくに進展していないにも関わらず、自信たっぷりにいった。

「ワトソン博士は留置場に逆戻りね。レストレード警部のほうから迫ったって可能性はないの?」

「私のお尻のバージンを断ったんだぞ。あるわけないだろう」

 続いたのは処女信仰極まりない発言だった。

「ワトソン君の中古品具合は、痔の話が新聞沙汰になっている件で証明された。首を傾げてカマトトぶらずに、しっかり聞きなさいエリザベス。男なんてこのようなものだ」

「マイキーとのお医者さんごっこはどうしたの、兄さん」エイミーはホームズをじっと見た。

 マイクロフトは長椅子の上でむにゃむにゃと寝返りをうち、落ちそうになったところで尻を直接掻いた。

「サイズを見たら鍵が合わないことは簡単に推理できるはずだ」ホームズは腕を組んだ。

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