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「レストレードのところでワトソンの出所後の予定がつかめたぞ」

 ベイカー街の下宿に寝泊まりすれば再度ホームズが留置場送りになりかねないため、一行はマイクロフトの下宿で作戦を練っていた。

 探偵仕事向きではないマイクロフトは離脱した。国家権力を行使してくれるらしいが、弟ひとり助けられなかった実力なので、一度刑が決まれば期待はできない。所詮は会計係だからだ。

「刑務所にはまだ入っていませんわよ」長女はホームズをにらみつけた。「お兄さま。ベスは感じやすいの。不用意な発言は、つつしんでくださいませ」

「そうだったな」

 ホームズは感じやすいベスを裸にむいて蜂のように突き刺しながら、花の蜜を存分に散らすまでの妄想にひたった。勝利のピストンの代償に、内臓を抜き取られても後悔はない。

「ベス――私がついているから大丈夫だ。身も心も私にゆだね、白い脚の上に潜む深い洞窟の探索は、この世界で唯一の諮問探偵に任せておきなさい」

「兄さん。それはベスじゃなくてあなたの顔した蝋人形の胸像」エイミーは冷たくいった。「それと乳首とヘソの位置にピンクのテープを貼ったの、私たちじゃなくマイキーだから」

「私のベスはどこにいった」

 探偵は床にへばりついた。絨毯の足跡は、マイクロフトらしき大きなものしか見当たらない。ひどい臭いだった。

「ベスなら外の空気を吸ってくるって、いましがた出てったわ。兄さんのせいでね」四女は兄をねめつけた。

「兄貴……あの、下半身のテントを隠してくれない?」ジョーは真っ赤になってうつむいた。「私、そそそういうの、無理なんだ……ほんと」

 兄のクロコダイルは節操なく盛り上がった。エイミーはため息をついて椅子から立ち上がった。

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