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ワトソンは堪えた。ホンモノの火掻き棒はなんて強いのだ。先っちょでぐぐぐと押し返すが、質量がハンパない。
「そんな程度じゃ嫁にはやれませんな」
「嫁じゃなく肉奴隷。いやいや私としては弟さんのすべらかな肉体も悪くはないのですが、法律に引っかかるので上の口しか使ったことがありません」
「なんと」マイクロフトの先っちょは少しひるんだ。「一緒に暮らして、もう何年にもなるのに?」
「ここで実はホームズの前歯が欠けていることを思い出していただきたい」ワトソンは自らうなずいていった。「そうです。あれは喧嘩などではなく、私の火掻き棒のためにホームズが自分で抜いたのです」
「二重の意味でかね」マイクロフトの返しはウィットにとんでいた。しかしその後が余計だった。
「たしかに彼はバキューム使いの異名を持っていたな。いやなに、私が呼んでいたのだが。おしゃぶりの吸い口の代わりに兄さんのお豆さんを食べさせてと、私の胸に乗ってきたものだよ。おかげで私の乳首はひとつしかない」
ワトソンは不本意だったが神妙にうなずいた。
「独身を貫いているのはそのせいです」
「ばっ、ば馬鹿をいうな。ワトソン私が独身を通している理由は。私が。私がどく、独身」
茶髪で栗毛の妹をちらりと見て、唾をゴクリと呑み込んだ。残りの妹たちの軽蔑の眼差しで、探偵の股間のおしゃぶりもこんにちはしかけた。
ホームズは怒りに任せて兄の股間をひねった。兄はぎゃーと口からあわぶくを噴いて失神した。
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