「いや、そんな、店長は佐々木くんのことも大切に思っている!」

店長が俺のことを大切に思っていることに嫉妬したと聞いて、俺は、佐々木くんにそう返した。だって、店長。佐々木くんのことは、本当に大切にしている。気に食わないとか言う割に、いつだって、佐々木くんのこと見ている。

「ほら、いつも、佐々木くんの分まで、差し入れもってきてくれるだろ」

店長は花屋に顔を出す時、適当におやつを持ってきてくれている。
俺の分だけじゃなくて、佐々木くんの分もちゃんと。

「だから、店長は」

「違います!」

「?」

真剣な顔をした、佐々木くんを目の前にして、俺は固まった。
佐々木くんが、怒っている……

「俺は、斉藤さんを大切に思っている人が、俺だけじゃないのに、嫉妬したんです」

「……え?」

「変でしょう。笑って下さい」

「笑えない」

「じゃあ、俺はどうしたらいいんですか?」

「そんなの、わからない」




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