「あ、店長は?」

さっき、変なことを言ってしまって、逃げたっきりほったらかしだと気付いて、俺はどうしようと思った。すると佐々木くんは「他の用事があるからと帰りました」と教えてくれた。

「それはそれは、拗ねた子どもの様な顔をして」

「え?」

「店長、すごく、頭を抱えていました」

「俺が、変なこと言ったから?」

「そうですよ、あの人を困らせることができるのは斉藤さんだけじゃないですか?」

「え?」

俺は店長を困らせているのか?
全く気がつかなかった。だって、店長は、言いたいことは言う人だし。

「違いますよ。すみません」

「え?」

「すみません、ただの嫉妬なんです」

「嫉妬?」

「店長は、斉藤さんのことが大切だから、斉藤さんのことで悩むだけなんです。変な言い方してすみません」




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