斉藤一紗




=斉藤一紗side=


しまった。
絶対に変な奴だって思われた。

だって、単に俺は、その、一度夢で佐々木くんと付き合っているのを見たことがあるんだ。最近。
そ、それに、それから、ちょっとしたことがあれば、佐々木くんにときめいているんだ。
おかしいだろう。
俺、男なのに。

「…………」

でも佐々木くんも悪い。
俺のこと女みたいに扱うことが多いし。
だから、俺、ちょっと変な気持ちになるのかな。
慣れていないから、こんな感じになるのかな?

だったら、あまり気にすることないのかも。
そうだ、ないんだよ。
俺、ちょっと過敏になっていたんだ。
そうそう。

でも、初めて佐々木くんと向き合った時、俺は、佐々木くんは俺の手を引いて知らない世界に連れ出してくれるんじゃないかって、思ったのも本当で。
いや、だからって、それを恋愛感情と履き違えたら行けないぞ、俺。

だって、佐々木くんは女の子が大好きだから。
俺、知っているから。

「…………」

あれ、俺、何しているんだろう?




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