「あ、はい、店長、佐々木くん。俺、大学で友達が出来た」

「「え?」」

少し覚悟はしていたはずだ。しかし、一紗の発言に、ビックリした。それは悠斗も同じだったみたいで、俺たち二人は格好悪く口を開いたままだった。

「……驚くことないでしょ」

失礼だとでも言いたげに一紗はふくれた。
男のくせに可愛いんだよな、それが。

「あ、悪かった。で、どんな奴?」

「俺も知りたいです、斉藤さん」

「え、と。どんなって、言われても…」

どう説明したらいいだろうか、と一紗は考えて、思いついたように、携帯を開いた。そして、一枚の写メを見せてくれた。

「こういう人です」

淡々と一紗は言ったが、俺も悠斗も思考深い顔をする。
その写メに映っている男が一紗の肩に手を回しているのはどうなのだろうか。
それは友達としての距離感というものなのだろうか。
俺にも悠斗にも、そんなこと、わかるわけがない。
ただ、言えることは「一紗、その人、彼女はいるのか?」と確認をしておいた方がいいってことだ。

しかし、後に、一紗は曖昧に、その男には、彼女はいないみたいだとか、でも好きな子はいるらしいだとか、言うから、困る。




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