「悪いけど、俺、男ですよ」

「……へ?」

「勘違いしているなら、と思っていちお」

「いえ、そんなの、さっき知りました」

昨日はちょっと気付けなかったけど、さっき、声を聞いてわかった。
こんなに近くで貴方を見ていてわかった。

「じゃあ、さっきなんて言おうとしたんです?」

「お詫び、させて欲しいっていうか、仲良くなって欲しいっていうか、そんなエゴを、勢いにのって言いそうでした。すみません」

ただ謝りにきただけなのに、おかしいな。
俺、やっぱり結局は、そんな自分の欲のためにきたのだろうか。

「でもよかったら今度何かおごらせて下さい!」

「…………どうしてです?」

「わかりませんが、きっと、一緒にご飯を食べたら、楽しいと思って」

「何が目的で?」

「え、と……。お詫びって言い訳使っていたら、きてくれませんか?」

「言えないことか?」

「ほ、本音は……何か貴方の気分転換になれたらいいと思ったんです」




- 6 -


[*前] | [次#]
目次に戻る→


以下はナノ様の広告になります。
「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -