図星だという表情をされて、俺はニタニタと笑った。

「もしもさ、一紗が気持ちには答えられなかったら、もう傍にいられなくなるだろうし。あまりさ…」

わざと俺はいったん言葉を区切る。
次の言葉に全ての破壊力を使いたかった。

「駄目なこと考えるなよ、悠斗くん」

決して一紗には聞こえないように、そっと。
悠斗の心の奥をかき乱すように。
俺は笑う。

潰れてしまえばいい。
一紗に迷惑かける前に。

「そういえば、一紗、最近、大学は?」

「え、ああ、大丈夫です。ちゃんと通っていますよ」

「勉強はついていけているのか?」

一時期、花屋に籠るように、大学に行かなくなっていた一紗のことが心配で俺は聞いた。悠斗は、顔を青くしたまま、耳だけは大きくしてただ聞いている。

「はい」

ちゃんとついていけています、と何処かもじもじとして一紗は答える。
俺と、悠斗は、声をそろえてこう尋ねる。

「大学で何か変わったことでも?」




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