斉藤一紗




=斉藤一紗side=


日曜日がやってきた。
佐々木くんとご飯に行く約束をしていた日曜日。

俺は、朝の支度を終えて気がついた。
今日着て行く服を決めていない。

ていうか別にいつも通りの格好で…問題はないのだから、悩む必要なんてないんだけどな。

「……でもせっかくだし」

仕事では着て行かないお気に入りの服を俺はあさった。
どれもこれも大学に行かなくなってから、着てない服ばかり。
そういえば、俺、最後に大学に行ったのは何時だったっけ。
単位は大丈夫だろうか。

自ら、さぼっておいて、心配になった。

「?」

携帯にメールが届いているようで、緑のランプがついている。
佐々木くんかなって思って携帯を開くと、メールは大学の友達からだった。
内容は『心配しているぞ』と。
俺はビックリしてすぐに返事を打った。
彼とはたまに話すだけの間柄だったが、人懐っこいからメアド交換してもらったんだった。すっかり忘れていた。
でも、嬉しい。

『ごめん。少し、サボった。明日からは行こうと思っている』

正直に俺は大学に行かなかった理由を説明し、明日の予定を少しだけ彼から聞いた。また明日から、大学に行こう。




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